東北芸術工科大学(山形県山形市)は去る10月2日、東日本大震災の影響で3月に実施できず延期となっていた「卒業・修了式」を同校キャンパスで行った。半年遅れとなった式典には、2010年度と2011年9月までに同校を卒業・修了した533名のうち365名が出席し、旧友との再会を喜ぶとともに、あらためて互いの門出を祝いあった。
この式典に合わせ、1991年に開学した同校にとって創設以来初となる「大学歌」が発表された。放送作家や脚本家としても活躍する、同校の小山薫堂教授が作詞とプロデュースを手がけ、タイトルは「明日へ」。震災からの復興など、困難に打ち勝ち次の時代を創ってほしいという希望のメッセージが込められた。
作曲は、東北出身のシンガーソングライターで小山教授と親交のある佐藤竹善が手がけた。スローバラード調の応援ソングを、佐藤が式典で初披露。社会人としてそれぞれの道を歩き始めた卒業生に、熱いエールを送った。
今後同校では、この大学歌がより多くの人に親しまれるものとなるよう、学生たちも参加して認知拡大を図っていく。小山教授が学科長を務めるデザイン工学部企画構想学科では、演習の一環として取り組み、将来的にはCD化などを視野にいれているという。
根岸吉太郎学長の祝辞
「アートやデザイン通じて学んだことを、それぞれの次の社会で生かしていくことが使命。自分たちが学んだ事を信じて、東北の復興、日本の再生のために力を尽くして下さい」
小山薫堂教授のあいさつ
「大学歌のコンセプトは『未来へ向かうものへの応援歌』です。一瞬、普通のスローバラード曲に聞こえますが、まぎれもなく自分たちの歌だと聞けるはすです。今後、自分が浮かれていたり、希望が見えなくなったときに聞いてほしい、そんなみなさんにとっての『音のしおり』です」
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