松竹が15日に発表した「平成24年2月期第1四半期決算短信」(平成23年3月1日~5月31日)は、3月11日の東日本大震災の影響で営業利益(△5億3100万円)、経常利益(△9億5900万円)、四半期純利益(△28億6200万円)とも赤字決算となった。
映像部門は震災により3月公開だった「唐山大地震 ―想い続けた32年―」が公開延期になったのをはじめシネコンの「MOVIX仙台」「同利府」「同つくば」など数サイトが地震により壊れ営業休止に追い込まれた。演劇部門では、歌舞伎公演など東北地方からの団体客が大幅に減少したこと、大阪松竹座や南座など関西公演も影響を受けたとしている。
今回の大震災は映画会社も明暗を分けた。
東宝は、松竹と同じくシネコンの「横浜」や「ひたちなか」など数サイトが影響を受けて営業を休止したが、全体としては松竹ほどの影響を受けなかった。東映は共同経営の札幌シネマフロンティアを除いて新潟以北に映画館を保有しておらず、テナントビル(仙台東映プラザ)が安全確認のため数日閉めたにとどまった。
松竹では、今期の通期の連結予想を売上高(809億円)が前期から100億円ダウンするのをはじめ、営業利益(2億2000万円)、経常利益(△17億3000万円)、当期純利益(△24億6000万円)としている。
同社の迫本淳一社長は「1本1本今まで決めたことをより一層上積みしていけるよう震災以後に策定した “震災予算” を達成することを目指している。単体でとにかく少しでも黒字を出し、連結でも営業利益はキッチリ黒字にし、経常利益と当期純利益でも赤字を少しでも減らして行きたい」と話している。
(代表取締役社長:指田 洋)