閲覧中のページ:トップ > コラム > 放送デスクコラム >

マルモのおきて視聴率アップ どうなる!?日9対決

放送デスクコラム

最新記事

マルモのおきて視聴率アップ どうなる!?日9対決

2011年05月26日
 フジテレビ「マルモのおきて」の5月22日視聴率が15.6%と大幅アップした。一方、TBS「JIN‐仁‐」は18.8%にややダウンし、その差3.2%に縮まった。この「日9」対決、追い上げるフジテレビが意地を見せ、TBSは予断できぬ展開になってきた。

 昨年10月、TBSで定着している「日9」ドラマにフジテレビが参戦した。第1弾は「パーフェクト・リポート」。残念ながら2ケタに達することは一度もなく、TBS「獣医ドリトル」に惨敗した。次なる今年1月クール、第2弾「スクール!!」は初回2ケタを獲得したものの、以降1ケタが続く結果で、TBS「冬のサクラ」に敵わなかった。やはり「日9」ドラマはTBS、と印象づけたか。もっとも、迎え撃つTBSもホッとしたことだろう。日曜劇場50年余の歴史がある誇りと意地もあるわけだから。

 そしてこの4月クール。是が非でも一矢報いたいフジテレビが送りだした「マルモのおきて」は、亡くなった親友の2人の子供と一緒に暮らすことになった独身男のホームドラマ。阿部サダヲと、子役の芦田愛菜と鈴木福が出演。おしゃべりする犬を除けば、ありがちなドラマだ。対するTBSは大ヒット「JIN‐仁‐」の完結編を満を持して編成、これで負けるわけにはいかない。期待どおり、「JIN」は初回23.7%と好発進。2回目18.4%になったが、以降20%をキープした。1週遅れでスタートした「マルモのおきて」は初回11.6%、以降12%台をキープして前2作よりも着実に上昇。それでも好調「JIN」には届かない展開だったが、中盤の5月22日、15%台に上昇したのだ。

 これまでの月9や木10的な路線から、“子供と犬”を起用したファミリー向けが当たったようで、子役の2人が可愛い、笑えて泣ける、癒される等々と視聴者の支持を得る。プロモーション展開も巧妙で、主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」を子役2人が唄って踊り歌手デビュー。ダンスも話題となったNHK朝ドラマを思わせるような手法も用い、その楽しげな歌は「フジテレビ♪フジメロ」着うたランキングで4週連続(4月25日~)1位~5位を独占する(5月20日現在)。バラエティ番組にもコラボ出演。劇中主人公が勤める「あけぼの文具」の関連文具商品や、くじらー油、ゴマ塩など多数商品化。フジテレビでは1つのドラマからこれだけ複数の商品化を展開するのは久しぶりという。

 もちろん、TBS「JIN‐仁‐」も全社的な取り組みで大プッシュ。全体的に低迷視聴率の向上へ「JIN‐仁‐」を看板にイメージアップを図る。だが、江戸時代にタイムスリップした医師の奮闘ぶりが魅せられるものの、タイムスリップの謎解きが主眼になってくるとドラマ的な魅力に欠けるような気がしてくる。とはいえ、まだまだ18%台。終盤までわからない。とりあえず、今週末の29日はどんな結果となるか注目。

 フジテレビは7月クール、あの人気ドラマの第2弾、「花ざかりの君たちへ イケメン☆パラダイス」を編成する。AKB48の前田敦子を主演に起用する。平日(前作は火9)でなく「日9」に持ってくるのだから、やはり相当に意識していると見られる。ちなみにTBSは10月クールで木村拓哉主演「南極大陸」だ。この「日9」対決、しばらく目が離せそうにない。

(戎 正治)

関連記事

過去のタイトル一覧

2016年

12月

2015年

1月│ 2月│ 3月

2014年

2月│ 3月│ 6月│ 8月

2013年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 11月│ 12月

2012年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2011年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2010年

10月│ 11月│ 12月