演歌歌手・北島三郎が1月29日、福岡・博多座で上演された「北島三郎最終公演」の千秋楽を迎え、1968年9月に新宿コマ劇場で行われた初座長公演から46年という長きにわたり上演されてきた大劇場公演に一線を引き、幕を下ろした。
14年9月東京明治座を皮切りに、11月大阪・新歌舞伎座、1月福岡博多座と「最終公演」と銘を打った公演は、この日の千秋楽で通算上演回数4578回という前人未到の金字塔を打ち立てた。
歌謡ショーの大フィナーレを飾った「まつり」の後、北島はファンに向かい「46年間、4578回のステージをつとめられたのも、たくさんの皆様や座員の皆様に支えられ、また、丈夫な身体に産んでくれた両親に感謝しています。劇場公演からは一線を引きますが、これからは皆さまに恩返しが出来る歌を歌って参ります」と涙ぐみながら挨拶。女優の山本陽子、歌手・藤あや子、島津亜矢、山本譲二をはじめとする北島ファミリーの歌い手が千秋楽のお祝いに駆けつけ、お疲れ様の声とともに花束を手渡した。
北島は「人間出会いがあれば別れもあります。別れの後は新しい旅立ちです。昨年は、長年にわたり劇場公演を創り上げてきた弟が旅立ちました。いつもは弟の写真を楽屋の3面鏡に飾っていましたが、今日は胸にしまい歌を唄いました。弟には千秋楽の舞台を見て欲しかったけど、きっとこの会場のどこかで見守ってくれていたと思います」と話し、この日の千秋楽のために新しく書き下ろした「泪の花舞台」を熱唱した。