演歌歌手、松前ひろ子が21日、歌手生活45周年を記念したコンサートを東京・浅草公会堂で開いた。「短い45年ではなかった。でこぼこ道、急な坂道を転げ落ち、這い上がってこられたのは、きょうご来場くださった皆さまのおかげ」と、約1000人を前に万感の思いで熱唱した。
従兄の北島三郎を追って家出、復帰が絶望視された交通事故、作曲家・中村典正氏と結婚、執念の再デビュー、レコード会社移籍など紆余曲折の45年。歌とともに振り返り、感動を誘った。北島からビデオメッセージも。一転、男唄コーナーでは力強い殺陣を見せ喝采を浴びた。
休憩をはさみ第2部は、赤のドレス姿ではなやかに。中村氏への感謝、夫婦の絆を示し、中村氏が手がけた名曲メドレーも。また、弟子・三山ひろしが祝福に。松前の45周年と、中村氏の作曲家生活50周年、さらに三山のデビュー5周年で“100周年”のケーキが登場、3人で仲良く写真に収まった。
ヒット曲コーナーでは、徳間ジャパンコミュニケーションズより近年リリースした「萩みれん」「春歴」「まさか」「北のおんな物語」。そして、45周年記念曲「知床慕情」とカップリング曲「夢」を歌い上げた。松前は「大きな夢―三山ひろしが年末の紅白歌合戦に出られますように」と力を込めた。
フィナーレは代表曲「祝いしぐれ」を披露。またエンディングの「愛につつまれて」まで、松前、三山で計33曲を披露した。