23年ぶりの新作『リアリティのダンス』のプロモーションでアレハンドロ・ホドロフスキー監督が来日。24日、東京・新橋のスペースFS汐留で行われた記者会見に出席した。
監督ははじめに、前作『ザ・レインボー・シーフ』(日本未公開)からなぜ23年もかかったのかという質問に対し「映画として言うべきことがなかった」ときっぱり。「言いたい事もないのにファストフードのハンバーガーのように毎年新作を作る監督と私は違う。映画を作っていなかった間も、詩やコミック、サイコマジック(監督が提唱する独自の心理セラピー)の発明などで創造することを止めなかった」と答えた。
同作は、生まれ故郷チリの田舎町を舞台に、若きホドロフスキー少年と両親との関係を描く自伝的な作品。監督は「これまで私は物語を語ってきた。しかし、今回は自分の人生を語ろうと思った。もし自分の人生が本物であれば、それぞれの人がそれぞれの人生を語ることができる」と、同作が多くの観客と共有できる普遍的なストーリーであることを述べた。
また、次回作については「次はパーソナルでないアクション作品『フアン・ソロ』を作りたい」と語った。『リアリティのダンス』は7月12日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開。配給はアップリンク+パルコ。