三井エージェンシー所属の演歌歌手、多岐川舞子が15日、日本コロムビアよりデビュー25周年記念曲第2弾「出雲雨情」をリリース。また同日、デビュー25周年記念リサイタルを東京・神宮外苑の日本青年館大ホールで行った。
平成元年に日本コロムビアよりデビュー、25周年を期に今年4月に事務所を三井エージェンシーに移籍し心機一転活動してきた。リサイタルは、アニバーサリーイヤーの集大成としてスタッフらと長い時間かけ練りに練ってきたもの。「ありがとう25年。変わらぬ艶歌、魅せます!」と銘打ち、「やりたいことを全部盛り込んだ。終わったらぶっ倒れてもいい」と言い切り、ステージに向かった。
約1300席が満席。オープニングからお祝いの花束などが殺到する熱狂ぶりで「たくさんの皆さまと出会い、たくさんの支えをいただいて今日のこの日がある」と万感の面持ち。「これまでの多岐川舞子、そしてこれからの多岐川舞子を感じていただきたい」と渾身の歌声を響かせた。
3人の故人に向けたステージでもあった。8日死去した大先輩歌手の島倉千代子さん、2006年死去した恩師の作曲家・市川昭介さん、そして多岐川が高校生の頃にこの世を去った最愛の母。市川さんに感謝を示すとともに、「お母さんに、このように歌っている姿をひと目でも見てほしかった…」と涙ぐんだ。
島倉さんにはデビューから5年間ステージにつき学んだほか、公私でさまざま世話になり “娘認定書” をもらったほど。「皆さまと一緒に島倉さんに哀悼の意を表したい。同時に感謝の思いを込めて、今日は精いっぱい頑張りたい」と天を見やった。
豪華フルバンド演奏に乗せ、ロングセラー中の25周年記念曲第1弾「北の雪船」(5月22日発売)をはじめ、デビュー曲「男灘」、オリジナルシングルから「あなたの女」「一夜雨」「夢織り酒場」「信濃川」「雪ほたる」「海峡終列車」「あんたの海峡」など次々。この日発売の「出雲雨情」は大正琴の演奏をバックに歌った。
歌謡浪曲「滝の白糸」に挑戦し鬼気迫る歌唱に大喝采。恋文ナレーションを交えながら大橋純子「シルエット・ロマンス」をピアノ弾き語りで、高橋真梨子「桃色吐息」をサックスを演奏しながら披露するとロマンチックなムードに包まれた。
一転、プロジェクターを使った映像演出で楽しませ、女装家のギャランティーク和恵を呼び込み、日本コロムビアから11月13日発売したデュエットソング「恋のダブルブッキング」はセクシーに魅せた。約2時間にわたり全23曲を熱唱した。
「今日が私の新たなスタート。ますます皆さまに愛される歌手を目指して頑張ってまいります」と感激で目を潤ませていた。