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高畑勲監督“日本アニメを一歩進められた”

【FREE】高畑勲監督“日本アニメを一歩進められた”

2013年11月08日
『かぐや姫の物語』完成、高畑監督ら報告会見 『かぐや姫の物語』完成、高畑監督ら報告会見

 東宝配給『かぐや姫の物語』(スタジオジブリ+日本テレビ+電通+博報堂DYMP+ディズニー+三菱商事+東宝+KDDI提携作品)の完成報告会見が11月7日、グランドプリンスホテル新高輪で行われ、日本テレビ放送網の大久保好男代表取締役、高畑勲監督、脚本の坂口理子、主題歌を歌う二階堂和美、キャストの朝倉あき、高良健吾、宮本信子、田畑智子、宇崎竜童、上川隆也、朝丘雪路が登壇した。

 本作は、『火垂るの墓』(88年)などの高畑監督による14年ぶりの最新作。製作期間8年、製作費50億円を費やした娯楽超大作である本作は “かぐや姫” の筋書きはそのままに、誰も知ることのなかった彼女の「心」を描くことで、日本最古の物語に隠された人間・かぐや姫の真実を描き出すもの。かぐや姫はなぜ、数ある星の中から地球を選んだのか。この地で何を思い、なぜ月へと去らねばならなかったのか。姫が犯した罪とは、その罰とはいったい何だったのか―。

 他に、本作が遺作映画となった故・地井武男、高畑淳子、立川志の輔、中村七之助、伊集院光、橋爪功、仲代達矢が声優を務めている。製作は氏家齋一郎。原作は「竹取物語」。原案・脚本も高畑監督が手掛けた。音楽は久石譲。主題歌は「いのちの記憶」(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)。人物造形・作画設定は田辺修。美術は男鹿和雄。11月23日(祝)より全国公開。

大久保代表 弊社の代表取締役会長だった氏家齋一郎は、心から高畑監督の作品を愛していて、冥土の土産に新しい作品を作って欲しいと本企画が始まった。だが、完成を待たずして2011年3月に亡くなってしまったので、製作名代として私がその遺志を受け継いでこの映画に関わってきた。出来上がってくる絵を見て本当に感動し、物心ともに応援させてもらったが、あまりにも丁寧な作業にいつになったら完成するのかと心配していたので、今日の日を迎えられて感無量だ。高畑監督たちの大いなる挑戦に拍手を送りたい。一人でも多くの人に観て欲しい。

高畑勲監督 長い時間とお金をかけてこの作品を完成させることが出来て、心から感謝している。今回ほどありがたいという気持ちはなく、大変うれしい。制作中は時間やお金のことを考えずに作ってしまうが、あとはお金をどう回収するか、問題はそればかり。自分は絵を描く監督ではないので、どういう絵で見せるかに関心をもって、新しいだけでなく、意味があってやってきたことを達成することが出来たので、これからの日本のアニメを一歩進められた気がしている。

朝倉あき 完成した作品を観て涙が出た。いろんな方の思いが伝わってくる作品。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。