ワーナー・ブラザース映画製作・配給『許されざる者』の完成報告記者会見が1日、東京・六本木のグランドハイアット東京で行われ、出演の渡辺謙、佐藤浩市、柄本明、柳楽優弥、怱那汐里、小池栄子、そして李相日監督が登壇した。
本作は、クリント・イーストウッド監督・主演の伝説的名作『許されざる者』(第65回アカデミー賞最優秀作品賞他4部門受賞)を、1880年、明治維新期の未開拓の地・北海道を舞台に、壮大なスケールと日本最高のスタッフ・キャストで再生する、日本映画史上最大のプロジェクト。黒澤明監督『用心棒』を西部劇に翻案した『荒野の用心棒』がイーストウッドの出世作になったのに対し、今度はイーストウッドが “最後の西部劇” と銘打った『許されざる者』が時代劇として再生された。
この不可能と言われた企画の主演オファーを渡辺が快諾し、イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』で渡辺、ワーナー日本法人が培った信頼関係もあって、イーストウッドの許可が下りた。アダプテーション脚本を李監督、音楽は岩代太郎、撮影は笠松則道、照明は渡邊孝一、録音は白取貢、美術は原田満生と杉本亮、装飾は渡辺大智、編集は今井剛、衣裳デザインは小川久美子、ヘアメイクは橋本申二、キャスティングディレクターは元川益暢が手掛けた。他に、近藤芳正、小澤征悦、三浦貴大、滝藤賢一、國村隼が出演している。
製作総指揮はウィリアム・アイアトン。製作は久松猛朗。ゼネラルプロデューサーは小岩井宏悦/石田雄治。Co.ゼネラルプロデューサーは由里敬三/鳥羽乾二郎/佐々木史朗。プロデューサーは久保田傑/高橋信一。ラインプロデューサーは押田興将。制作プロダクションは日活とオフィス・シロウズ。12年9月22日クランクイン、11月27日アップ。9月13日(金)より新宿ピカデリー他で全国公開。
なお、本作は第70回ベネチア国際映画祭に特別招待作品として出品が決定。会見冒頭には約8分のダイジェスト版が上映され、その重厚で壮大なスケール感と人間ドラマに会場は圧倒された。また、イーストウッド監督から「日本映画の新たな時代の幕開けを感じた」といったメッセージが寄せられた。
▼渡辺謙 クリント作品の世界観を踏襲しつつ、刺激的で冒険的、日本の風土、痛み、湿度などが感じられる独自の映画に仕上がった。クリントに感謝したい。
▼佐藤浩市 現場の空気感を大事にして、李監督に追い詰められながら演じた。
▼柄本明 色々大変だったが、李相日という一つの才能というものは大したものだ。
▼李相日監督 このスタッフ・キャストで撮り切れたことを誇りに思う。まだ実感はないが、映画界の神様クリントの心に届いたようで頑張った甲斐があった。