今年6月でデビュー14年目を迎える演歌歌手・永井裕子が、新曲「そして…湯の宿」(4月3日発売=キングレコード)を発売したのを記念して8日、東京・渋谷区の「日本音響研究所」で一日研究生を務めた。
音声に関する犯罪の分析やJ‐POP系アーティストらの声の分析などを行っている同研究所で、自分の声を丸裸にして分析してもらい、科学的に、彼女の歌声が聴いている人にどんな影響を及ぼすのかを調べてもらおうという目的で一日研究生になったもの。
新曲「そして~」を同研究所の代表・鈴木創(すずき・はじめ)先生に聴いてもらい、分析してもらった結果、彼女の歌声には5点の特徴(1)発声の基礎である腹式発声が安定している(2)音声の周波数成分が超音波帯域まで分布しており、『清潔感』のある音声である(3)声帯の振動の高調波成分(倍音成分)が豊かで、さらに共鳴周波数帯が5点見られ、厚みのある響きの良い音声である(4)ビブラートが安定している(5)コブシの前後で音程がブレていない――があること分かった。
鈴木先生は「悪いところが見当たりませんでした。マイナスポイントが見当たらなかったので、それがマイナスポイントなのかなと思います。どこか一つでもいいので、印象に残る、欠点にもなるようなものがあると、今後はいいのでは。歌が優等生で、けなすところがないのですが、もう少し冒険して、けなすところが少しあったほうが人の心に止まりやすいのではないかなと思います」と分析した。
また「これまで数百人のプロ歌手の方々を分析させていただき、その一番は美空ひばりさんです。永井さんは上位3%に入っていますし、将来有望なので、美空ひばりさんのレベルまでいけると思います」と絶賛。
分析結果を聞いて、永井は「悪いところがないと言われて、ほっとしたのですが、悪いところがあった方が良いと先生に言っていただいて、これから先、冒険とか、枠にはまらず、いろんな歌を歌わせてもらって、『ここが永井裕子のポイントだね』と言ってもらえるような歌をこれから歌っていきたいと思います」と話していた。