第3回日本シアタースタッフ映画祭が22日、科学技術館内のサイエンスホールで開催され、多くのゲストと観客が集まった。
同映画祭は、大手シネコンから独立系まで、全国の映画館で働く人々(=シアタースタッフ)が主役の映画祭。過去1年間の公開作品の中からシアタースタッフの投票によって各賞を選出。今年は522名が投票し、グランシャリオ賞(グランプリ)に「ステキな金縛り」を選出した。
当日、期待作10選イベントでは、「わが母の記」と「ロボット」の2枠を設けた。「わが母の記」からは原田眞人監督、出演者の三浦貴大が参加。原田監督は「年輩の人たちが見に来てくれるとの期待があって、期待作10選に選ばれたのだろう。一方の若い人は、ネット上で良い反応があるが、実際に映画館に来てもらうのは大変なこと。今日見た皆さんはそれぞれ100人に広めてもらいたい。映画で3世代の絆を描いているように、3世代で映画を見てもらう環境が作れるように、応援してください」と述べた。
「ロボット」からは、配給するアンプラグドの加藤武史代表が登壇した。「監督、キャストが登壇すべきところだが、何せインド映画なので」と断った上で、主演ラジニカーントからの「日本でインド映画の公開は久しぶりのこと。感謝している」というメッセージを読み上げた。
続くメインイベントの授賞式には、「ステキな金縛り」でグランシャリオ賞と監督賞を受賞した三谷幸喜監督、主演男優賞の堺雅人(「ツレがうつになりまして。」)、主演女優賞の井上真央(「八日目の蝉」)、助演男優賞の西田敏行(「ステキな金縛り」)、脚本賞の向井康介(「マイ・バック・ページ」)、音楽賞の武部聡志(「コクリコ坂から」)、今回から新たに設けられたグランシャリオ新人賞の染谷将太が順に登壇し、表彰を受けた。助演女優賞の長澤まさみ(「モテキ」)は出席できず、メッセージを寄せた。
三谷監督は「(多くの工程を経て製作、宣伝してきた映画を)最後に託すのが、シアタースタッフの皆さん。だから、僕にとって、シアタースタッフは仲間だと思っている。そんな仲間から表彰されて、こんなに嬉しいことはない」とユーモアを交えながら受賞の喜びを語った。授賞式では、登壇ゲストとシアタースタッフとの質疑応答もあり、会場を盛り上げた。
この日は、グランシャリオ賞の「ステキな金縛り」、期待作10選の中から新作2本「わが母の記」「ロボット」の計3作品を上映。授賞式やイベントの模様は、ニコニコ生放送で中継された。