松竹制作・配給「おかえり、はやぶさ」(製作:「おかえり、はやぶさ」製作委員会/制作プロダクション:松竹撮影所 東京スタジオ)の完成披露試写会が23日、丸の内ピカデリー1で行われ、本木克英監督、出演の藤原竜也、杏、三浦友和、前田旺志郎、的川泰宣JAXA名誉教授が舞台挨拶を行った。
同作品は、小惑星探査機〈はやぶさ〉の宇宙の旅を、JAXAの協力のもと、3Dの迫力と奥行きで再現。はやぶさが、まるで心を持った機械のように迫る。また、日本の宇宙開発の歴史が、親子の絆の再生を通して描かれる。
はやぶさと “旅” をするのは、父親(三浦)への葛藤を乗り越えて成長していくJAXAのエンジニア助手(藤原)、新人の理学博士(杏)の新米コンビと、宇宙を夢見る小学生(前田)。初めは単なる機械でしかなかったはやぶさが、様々な人々の思いをのせて、やがて機械を超えた存在になっていく。3月10日、3D・2D同時で全国RS。なお、当日は “宣伝部長” に任命されたキャラクター “はやぶさクン” も登壇した。
▼本木克英監督 3Dカメラは大きく重いのが大変だったが、撮影を始めてしまうと、3Dカメラだということを忘れてしまった。3Dということで飛び出す映像が期待されているかもしれないが、飛び出し続けると目が疲れるので、観客の視点になって疲れない映像を作るのに苦心した。
▼藤原竜也 昨夏2ヶ月で撮影した。年齢、性別に関係なく、楽しめる仕上がり。三浦さんと親子役での共演には興奮し、また緊張もした。
▼杏 撮影前にJAXAへ行って、科学者たちに話を聞いた。アットホームな雰囲気で迎え入れてもらい、良い意味で、科学者のイメージが崩れた。
▼三浦友和 失敗した〈のぞみ〉プロジェクトのリーダー役。宇宙開発は血税の無駄、何の役に立つのかと、風当たりが強い中で、はやぶさが成功しなかったら大変なことになっていた。映画や音楽がないと寂しいように、夢や思いを馳せる意味で、宇宙開発は大事だと思う。
▼前田旺志郎 宇宙に興味がわいてきて、格好いいなと思うようになった。
▼的川泰宣教授 はやぶさの持つ意味は、昨年3月11日を経て大きく変わった。松竹版の「はやぶさ」は、若い人の力が際立って描かれる。国難に立ち向かう今は若い力が待望されおり、それを浮き彫りにした意味は大きい。宇宙開発に必要な家族の強い絆も、松竹版では念入りに描かれる。未来につながるように、多くの子どもに見てほしい。