民放連広瀬道貞会長は17日会見で、東日本大震災の影響で、一部被災地に放送が十分届かないなどサービスが出来ないことを「大変に残念だ」と話した。阪神・淡路大震災も経験したが、今回は原発の爆発事故があったために、「過去の経験も十分活かされない」と、東京電力の対応不備も指摘した。
また、7月24日の地デジ完全移行の延期の懸念については否定した。「昨日、当初から予定していた会合があり、NHK、デジサポ、経済的弱者支援の組織、総務省らも参加して、最終的なデジタル切り替えについて打ち合わせた。現在はアナログ停波を知らせる常時スーパーの画面が出せないなど、いくつか課題があるが、作業を進めようということで落ち着いた。7月24日に向けて基本的作業は続けていく」とした。
完全デジタル化すれば、データ放送が役に立つようになるのではとも話した。
また、被災地に対し、「経済的弱者支援もあるが、家財一切失った家族にチューナーを配布するよりも、テレビを贈ったらどうかとはっきり声をあげたい」とし、政府に支援を求めていく考えを示した。
なお、民放連は同日、義援金1億円を贈ることを決定した。「早期に贈るのがよいので、民放連の予備費から抽出しようと思う」とした。