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mmbi石川氏―災害時蓄積型配信に可能性

【FREE】mmbi石川氏―災害時蓄積型配信に可能性

2011年03月18日

 (株)マルチメディア放送(mmbi)石川昌行取締役経営企画部長は17日、京都で行われたケータイ国際フォーラムで登壇し、今回の震災を受けて「災害時の放送の強さを実感した。(マルチメディア放送では)それにプラスしてできることがあるのではないか」と語った。

 石川氏はその一案として、被災地の安否情報、避難所の情報、食糧などの確保情報などをファイル化して蓄積型配信で送り、検索機能によって必要な情報がすぐに見つかる――といったサービスを例示。「これまでの映像を中心とした放送では、なかなか個別の情報は配りにくい。蓄積型であれば全ての人に送るのではなく、地域毎に合ったファイルをお届けすることもできるのではないか」と考えを述べた。また、今回、通話回線がパンクする中で、情報発信・提供・交換が積極的に行われている「ツイッター」にも着目し、「ソーシャルメディアとも連携して必要な情報を集めることができれば、役に立つのではないか」とも語った。全てのコンテンツに、ソーシャルメディアの関連リンクを付ける考えも示している。

 さらに、これまではマルチメディア放送のサービスについて、ビジネスを中心に語ってきた面があったとした上で、「放送は社会のインフラ。将来災害が起きたときに、我々にどういったことができるのかを考えるのが、社内で宿題になっている」と述べ、今後のサービス設計の中で、緊急時に役立つ情報提供の在り方を模索していることを明らかにした。

 こうした社会インフラとしての観点から、「教育」については、「役立つかもしれないが、実際には、まだどういうニーズがあるのかが吸い切れていない」と説明。その上で、マルチメディア放送の特性を活かした「色んなアイデアを頂きたい」とし、ユーザーも含めて皆で一緒に作り上げていくサービスであることを強調した。

 蓄積型コンテンツは「放送波だけで100%届けることは難しい」(石川氏)ことから、数回にわたって送信する仕組み。それでも欠損しているデータに関しては、通信で補てんすることを想定している。この具体的な運用方式などについては、今後検討していくとしているが、「あまり多量化すると通信メインのサービスになってしまうので、慎重にやるべきだと思っている」との考えを示した。

 なお、同社が採用した技術方式「ISDB‐Tmm」に対して、各国から興味が示されているとし、先日にはインドで実証実験を実施。再来週にはチリで説明を行う予定だという。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。