東宝配給、細田守監督最新作『果てしなきスカーレット』(スタジオ地図、日本テレビ共同出資・共同製作)が、2025年冬に公開されることが決まった。23日にTOHOシネマズ日比谷で開催された2025年東宝配給作品ラインナップ発表会で情報解禁され、当日は細田守監督とスタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサーが製作報告会に出席した。
2021年の『竜とそばかすの姫』以来4年ぶりとなる細田監督の新作は、ある国の王女スカーレットを主人公に、旅やアクション、ロマンスが描かれ、時空を超えた壮大な物語になるという。会見では一枚の絵が発表され、左腰に剣を携え、強い眼差しで遠くを見つめるスカーレットの姿が公開された。
齋藤プロデューサーは、「歴史の波が逆戻りするような悲しい出来事が続く中で、次の映画をどうするかと監督と話し合い、世界の方々が希望を見出すような作品を作るべきではないかと話してきた中で、監督から出てきた企画が『果てしなきスカーレット』。世界中で社会現象が巻き起こるんじゃないかという第一印象で、僕が長年懇意にしている、今アメリカで最も影響力のあるアニメーション映画のプロデューサーに脚本などを読んでもらったところ、「なんてユニバーサルで力強い作品なんだ、これは世界中で共感される作品になる」と(僕と)全く同じ感想を得た。確信を持って世界に向けて作ろうと(思った)」と企画の発端を明かした。
その後、世界を視野に入れてプロジェクトを進める中で、ハリウッドメジャーのソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)による出資が決定し、日本では東宝、日本以外の全世界はSPEが配給し、2025年冬に全世界公開することが決まった。製作報告会ではSPEのスティーブン・オデール氏(インターナショナルディストリビューション プレジデント)も動画でコメントを寄せ、「昨年『君たちはどう生きるか』がアメリカで公開された時期でもあり、作品の大ヒットを受けて、本作にとってもベストな時期だと確信しています」と期待を寄せた。
細田監督によると、同作ではセル画でも3DCGでもない、新しいルックのアニメーション表現に挑戦しているという。これまでの自身の作品で様々な表現方法を積み上げてきた中で、「突然(今作で新しい表現で)作ったわけではなく、ずっとこれをやりたくて続けてきた、実験してきたみたいなところがある」と、集大成的な作品になることを窺わせた。また「あらゆる人に共通する普遍的な、全く関係ない人が世界中誰もいない、といったテーマがある。生と死にも踏み込むような大きなテーマ」であることや、誰もが知る著名な古典をベースにした作品であることも明かした。