2025年1月2日(木)から同26日(日)まで東京・三越劇場で上演される演歌歌手、丘みどりの初主演舞台「おちか奮闘記」(製作:松竹)の取材会が28日、東京・新橋の第一ホテル東京で行われ、主演の丘をはじめ共演の三田村邦彦、河合雪之丞、補綴(ほてつ)・演出の成瀬芳一が出席した。丘は「何もかも初めてのチャレンジですが、演歌歌手がお芝居をしているのではなく、ひとりの舞台女優・丘みどりの誕生を皆さんに観ていただけるよう、しっかりと頑張ってまいります。必ず頂いた時間を後悔させないような舞台を作っていきたいと思いますので、沢山の方に見に来ていただけたら」と意気込みを語った。
原作は「明治一代女」「風流深川唄」などで知られる川口松太郎の名作「浪花女」。明治初期の大阪を舞台に、義太夫節三味線方・豊澤団平の芸に惚れ妻となったおちかが、人形浄瑠璃「壺坂霊験記」を完成させるまでを描いた物語で、浄瑠璃の世界で生きる人々が情感豊かに描かれる。今回タイトルを「おちか奮闘記」と新たにし、音楽要素を追加した作品として上演される。
主人公おちかを演じるのは、2025年にデビュー20周年を迎える丘で、今作が舞台初主演。三味線の名手・豊澤団平には三田村。三田村が案内人を務めるテレビ大阪「おとな旅あるき旅」のエンディングテーマ「あなたと、君と」(21年3月17日発売、キングレコード)でデュエット経験のある2人が、今回は舞台でコンビを組む。
丘は、今回の話しを受けた時の心境について「こんな大役を、演技をしたこともない私が引き受けていいものか、すごく悩みました」とした上で「演歌歌手をしている中でも演技のお仕事をしたいとずっと思っていましたが、演歌歌手として独り立ちするまでは口に出さないでおこうと思っていたので、胸の中では夢が叶ったというのが、一番大きな気持ちでした」と話した。
自身が演じる役柄については「おちかは『これがいい』と思ったら、どこまでも真っすぐに突き進む、素直な女性。私も『これがいい』『これがしたい』と思ったことは、誰に何を言われようと突き進むところがあるので、自分と重なる部分があります」。
今作には音楽要素も盛り込まれるが、演技をしながら歌うことについては「いつもは曲の主人公になりきって歌うものだと思っているタイプなので、おちかになって歌うのはどうなるのか。そこが自分にとってはちょっと難しいのかなと思っています」と話した。
また取材会に出席した成瀬は「丘みどりさんの歌を織り交ぜながら新しい芸能もの『おちか奮闘記』を作りたい」、三田村は「このお芝居をやって(丘が)『2度とお芝居はやりません』と言って欲しくないので、何としても成功しなければ」、河合は「初めてご一緒させて頂く方たちばかりなので、私自身もいろんなことを勉強させていただければ」とそれぞれ意気込みを語った。