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キング、角川博の新曲「恋泣きすずめ」発売

【FREE】キング、角川博の新曲「恋泣きすずめ」発売

2024年08月09日
角川博 角川博

  “女心の伝道師”の異名を持つ演歌歌手、角川博が新曲「恋泣きすずめ」(キングレコード)を8月7日に発売した。

 1976年に「涙ぐらし」でデビューして以来、圧倒的な歌唱力と明るいキャラクターで、歌謡界の第一線で活躍を続ける角川。

 23年8月にリリースした前作「大阪とおり雨」以来、約1年ぶりとなる新曲「恋泣きすずめ」(作詩:瀬戸内かおる、作曲:岸本健介、編曲:南郷達也)は、小さなお店を営む女性が主人公。そぼ降る雨の夜、暖簾を下ろし、店のあかりを小さく灯して待ち人を想う、いじらしく可愛らしい女心を温かなタッチで描いている。

 角川は「曲は皆さんが聴いたものが正解。僕がどうこう言うと口幅ったくなる。こういう歌ですよ、と歌い手が言うとそれだけになってしまい、広がらない。皆さんが広がりを持たせてくれる」と今作に限らず、自身の解釈を押し付けず、聴く人の解釈を大切にする姿勢を示す。

 1~3番の最後に「つらいのよ」という歌詞が繰り返し登場する。待ち人を想う女性の心情が表現された歌詞だが、角川の歌い方は「つらさ」からイメージされる暗さや重たさを感じさせない。

 「歌う時のトーンを明るくした方が、つらさが後ろに見え隠れする。あんまり表でつらいつらいと言っちゃうと、もういいよってなっちゃう。後ろで見え隠れする方が、つらさが良い方向で見えたりする。それが歌じゃないかなと思う」と話し「悲しい言葉遣いのときは、明るく。そうすると歌が生きてくるから。明るく言えるような歌唱法。その方が、うまく聴こえると思う」と歌い方のポイントを説明した。

 角川は、この曲の主人公のように、男性を待つ女性は今はほとんどいないだろうと認識しつつ「歌って夢だから。皆さんが膨らます」と歌の世界を大切にする。他方、現在の女性たちは「前を向いている。次の恋に行くでしょ。スズメは前にスズメ(進め)ということで振りむいちゃダメ」とユーモアを交えながら新曲について語った。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。