東宝配給、山田尚子監督最新作『きみの色』の製作報告会が18日、esports銀座で開催され、山田尚子監督、川村元気プロデューサー、声優を務めた鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖が出席した。
「けいおん」シリーズや『映画 聲の形』を手掛けてきた山田監督の最新作は、「音楽×青春」集大成となる完全オリジナル長編。8月30日に公開されることが決まった。
登壇した山田監督は「本編は1月末に完成している。スタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。これからこの映画に関わってくださる皆様、どうぞよろしくお願いします」と人柄のにじみ出る挨拶を行い、続いて川村プロデューサーが「僕自身が山田尚子監督のファンだった。『けいおん』、『たまこまーけっと』も好きだし、『聲の形』を見て度肝を抜かれた。『リズと青い鳥』は、新海誠監督から連絡が来て『見ました?すごい映画ですよ』と言われて、見てそのズバ抜けた演出力に驚かされた。新海監督と話していると、よく『山田尚子さん最近どうなんですか?』と(いう話になる)。嫉妬を感じる才能だといつも言っていた」と、新海監督からも絶賛されていることを明かした。また、川村プロデューサーは「海外に行くと、向こうの配給会社の人に『山田尚子の新作はまだか?』とよく言われる。本当に世界中にファンがいる。確認したところ、210の国と地域で公開が予定されている。完成品を見ていない状態でこれだけのグローバルのセールスが決まるのは、ジブリや新海誠作品並みだと思う」と世界から大きな注目が集まっている状況も説明した。
今作のテーマについて、山田監督は「見た人それぞれのモノになっていくと思う。見た人の気持ちに寄り添える映画を作りたいという気持ちでやっている。テーマは言いづらいが、何か感じて頂けるものがありますように」と思いをこめた。
声優の3人は、1600人のオーディションで決定。それぞれの決め手について山田監督は、「(鈴川さんは)独り言が可愛かった」、「(髙石さんは)耳にこびりつくような不思議な音をされている。心地よい」、「(木戸さんは)普段話している時のトーンや色味が(演じる)影平ルイ役にぴったり」と絶賛し、川村プロデューサーも「ここで出会った人は、アニメーションもそうだし、(今後)実写映画界も含めて背負ってくれる人だと信じて一緒に仕事をしたいと思っている。声のいい俳優は売れると思っているが、その条件を揃えた3人だし、オンリーワンの声の3人」と将来性も高く評価した。また、新垣結衣が重要な役柄で参加することも発表され、本人から寄せられたメッセージが代読された。
山田監督は最後に「映画体験をして頂くことをすごく大切に思って作った作品。ぜひ劇場に足を運んで頂ければ」とアピールして締めくくった。制作・プロデュースはサイエンスSARU。企画・プロデュースはSTORY。製作はサイエンスSARU、STORY、東宝、ローソングループ、ジェイアール東日本企画。