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東映AD『NO LIMIT~』、分身ロボット使用した試写

【FREE】東映AD『NO LIMIT~』、分身ロボット使用した試写

2023年06月17日
左から吉藤オリィ、武藤木綿子、武藤将胤、毛利哲也の各氏 左から吉藤オリィ、武藤木綿子、武藤将胤、毛利哲也の各氏

 東映エージエンシー配給『NO LIMIT,YOUR LIFE ノー リミット,ユア ライフ』の、分身ロボット「オリヒメ」鑑賞試写会が15日、東京・日本橋で開催された。

 同作は、9年前にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されながら、最新テクノロジーを使って挑戦し続ける武藤将胤と、前向きに彼を支える妻・木綿子の夫婦に6年間密着したヒューマンドキュメンタリー。劇中では、武藤が徐々に体が動かせなくなりながら、「目」で音楽と映像を同時に操るアプリを開発し、夢のDJに挑戦する姿や、目を動かすことさえも難しくなったALS患者の友人のために「脳波」で意思を伝えるデバイスを開発するなど、どんな困難にも諦めずに挑戦し、突破していく姿が映されている。

 今回の試写会は、武藤と同じように、病気などの理由で外出が困難な人でも、モニターを見ながら遠隔操作し外部の人とコミュニケーションできる、高さ20cmほどのコンパクトな分身ロボット「オリヒメ」を利用。東京・日本橋にある、オリヒメが接客するカフェ「分身ロボットカフェDAWN」を会場とし、参加者はオリヒメを通じて自宅や病院からスクリーンを見守った。

 上映前には毛利哲也監督、主人公の武藤将胤、新たなテクノロジーを武藤とともに開発しているオリィ研究所の吉藤オリィの各氏が登場。毛利監督は「10年前にALS患者を初めて取材した。その方は亡くなったが、ALSが治る未来まで報道し続けると誓った。その中で武藤さんの活動が目に飛び込んできた。ALSの患者さんは辛い日々を送っているイメージがあったが、武藤さんはそれもありながら、自分らしさを諦めずに追求されていて、エネルギッシュで色々なことを実現されていく。病気だからではなく、人間として武藤将胤を追いかけたいと思い取材を始めた」と同作の制作経緯を説明。吉藤は「ALSの方が(延命のため)呼吸器をつけるのは勇気のいること。私が10年前に初めて会ったALSの人は呼吸器をつけずに亡くなったが、その時に『生きてれば良いことあるよ』とは言えなかった。でも、今は『呼吸器をつければこんなことができるよ』と言える時代になった。その例に出したいのが武藤。この映画は、その(呼吸器をつける)選択をする時の背中を押し、どうやって自分らしさを保っていくかの、一つの道しるべになるのでは」と映画の意義を語った。武藤は目で操作する発音デバイスを活用しながら、「全裸をさらけ出すこともあった」と密着取材の日々を回想。そして「一度きりの人生。失敗を恐れずにみんなでどんどん挑戦しよう。NO LIMIT,YOUR LIFE。僕らに限界なんてない」と会場に呼び掛けた。

 上映後にはオリヒメを通じて参加者から映画の感想が語られ、「ゼロからイチを作り出すパワフルさを尊敬する」、「挑戦し続けるのは辛いこともあるが、そこを乗り越えて(目標に向け)走り続ける姿に勇気づけられた」といった絶賛の声が続々と挙がった。

 6月23日(金)からT・ジョイPRINCE品川、T・ジョイ梅田、7月7日(金)から丸の内TOEIで公開。ナレーションは石原さとみ。制作プロダクションはフレックス。製作はテレビ朝日、フレックス。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。