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角川配給、北野武監督新作『首』会見、今秋公開

【FREE】角川配給、北野武監督新作『首』会見、今秋公開

2023年04月18日
北野監督最新作『首』に豪華俳優陣 北野監督最新作『首』に豪華俳優陣

 KADOKAWA製作・配給『首』の完成報告会見が15日、ホテルニューオータニで行われ、北野武監督、出演の西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋が出席した。

 北野武監督の最新作は、構想30年。本能寺の変を、多彩な人物の野望や裏切り、運命とともに描く。原作小説(「首」KADOKAWA刊)と脚本も手がけた北野自身が、本能寺の変を策略する羽柴秀吉を演じる。また、西島秀俊が明智光秀、加瀬亮が織田信長、浅野忠信と大森南朋が秀吉を支える軍師・黒田官兵衛と弟・羽柴秀長。中村獅童が秀吉に憧れる百姓役で北野組に初参戦。他にも木村祐一、遠藤憲一、桐谷健太、小林薫、岸部一徳らが歴史上の重要人物を演じる。

 挨拶に立った夏野剛KADOKAWA社長によると、製作費15億円をかけた大作。映画をすでに鑑賞した夏野氏は「黒澤明監督の『七人の侍』『影武者』にも通じるスケールと、シェイクスピア作にも通じる悲劇性と喜劇性を併せ持った稀有な作品であり、北野武監督の才能とオリジナリティがふんだんに詰め込まれた作品だと思う。弊社は今後日本国内に留まらず海外でのヒットも見据えた大作映画に取り組んでいきたいと考えているので、世界に向けて自信を持って送り出すことができる本作を、観客の皆様にお届けできることを大変喜ばしく思っている」と話した。

 北野監督は「ここ何年か歴史ブームで、織田信長、明智光秀と本能寺の変が取り上げられているが、歴史考証の専門家が調べ、約80の諸説がある。80の中で、『裏で秀吉がかなり動いたのかな』と思ったのがきっかけで映画化しようと思っていた」と着想について語り、「日本の戦国時代を、美化することなく、成り上がりや天下を取るということの裏にある人間関係や恨みやつらみなども含めて、正しくはないかもしれないけれど、一つの解釈として描けたらと思った」と狙いを明かした。

 西島秀俊は「光秀がどういう人物か諸説ある中で、人間的に現代に繋がるまともな部分と、あの時代で命のやり取りを毎日やっているからこそ、狂っている感覚を持ったキャラクターだと思うので、シーンの中で色んな面を演じようと考えていた」と光秀役に向き合った様子を語った。

 同作は、第76回カンヌ国際映画祭「カンヌ・プレミア」に正式出品が決定。北野監督は「知り合いのカンヌの人に聞いたら、この作品はコンペの枠に当てはまらない、非常に強烈な映画だということで、プレミアという冠をつけて別でやりたいと言われた。その話を聞いた時、この作品は世界的に当たるなと思った」と自信を覗かせた。今秋、全国公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。