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Amazonが映画『沈黙の艦隊』など強力作発表

【FREE】Amazonが映画『沈黙の艦隊』など強力作発表

2023年01月27日
Amazonのプライム・ビデオが強力作品を発表 Amazonのプライム・ビデオが強力作品を発表

 Amazonは25日、プライム・ビデオの今後の目玉作品を発表するイベント「Prime Video 新年発表会:Meet the Producers 2023」を目黒のホテル雅叙園東京で開催。その中で、自社で製作し、東宝配給により劇場公開する大作実写映画『沈黙の艦隊』を発表した。

 『沈黙の艦隊』は、漫画家のかわぐちかいじによって1988年から1996年まで「モーニング」(講談社)で連載され、累計発行部数3200万部を誇る大人気漫画を映画化する海中アクション・エンターテインメント。大沢たかおが主演とプロデュースを兼務し、『キングダム』シリーズで知られるクレデウスの松橋真三代表取締役がプロデュースする。監督は『ハケンアニメ!』の吉野耕平。日本で初めて海上自衛隊・潜水艦部隊の映画撮影協力を得て、実際の潜水艦を使用して制作する。撮影は昨年夏から始まり、3月末まで続く予定。9月29日(金)から劇場公開されることが決まった。

 登壇したアマゾンジャパン合同会社 プライム・ビデオの児玉隆志ジャパンカントリーマネージャーは「日本で映像製作を開始して5年。日本で愛されてきた漫画、アニメ、小説など優れた作品の実写化は当然最優先事項。ただ、作品によっては実写化に高い技術と大きな予算が必要となる。多くのお客様に見て頂けると信じられる原作、際立って面白いストーリーが無いと、なかなか(製作に)踏み切れない。その中で、かわぐち先生をはじめ関係者の皆さんにご協力・ご理解を賜り、大沢さん、松橋さんという情熱を持った優れたパートナーの方に恵まれたので、『沈黙の艦隊』というこれまでにない大規模なプロジェクトに挑戦させて頂くことになった」と製作の経緯を説明。ストリーミングサービスを運営する会社が劇場映画を手掛ける意図については、「全てにおいてお客様のニーズを優先しており、ビジネスモデルはそれに合わせて柔軟に進化させていく。『沈黙の艦隊』のような大規模な作品は、映画館の、より大きなスクリーンでその迫力を楽しみたい方も多いと思う。そのようなニーズにお応えするため、今回はプライム・ビデオのサービスを超えたプロジェクトとなった」と語った。

 イベントには主演の大沢たかお、プロデューサーの松橋真三、原作のかわぐちかいじの各氏も登壇。松橋プロデューサーによると、同作は『キングダム』撮影のための移動中に、新幹線の中で大沢と話し合ったことが企画の発端だという。「大沢さんの(『キングダム』で演じた)王騎を間近で見ており、次のプロジェクトはそれに負けない企画を考えないと失礼だと思っていた。『沈黙の艦隊』は昔からずっとやりたかった。何しろ規模感がすごいので実写化に向いてない作品(原作)かもしれないが、これぐらいの企画をご用意しないと」と大沢に話を持ち掛けた理由を説明した。

 イベントではティザー映像を上映し、潜水艦が潜水する大迫力の映像を披露。松橋プロデューサーは「まだCGを何も入れていない状態。海上自衛隊の協力により、カメラを潜水艦に付け、(潜水艦を)動かしてもらい海に入ろうとする瞬間が今の映像。こんな凄い映像が山のように出てくるので本当に期待してほしい」と語った。


映画・ドラマ拡充、スポーツ開始「戦略正しかった」

 イベント冒頭で児玉氏は、「昨年3月(のイベントで)、プライム・ビデオでは見放題独占配信の作品の数を増やすことに注力していること、なかでも映画やドラマの拡充を目指していること、さらに新規顧客獲得の戦略的柱としてスポーツのライブ配信を始めることを発表した。1年経ち、この戦略は正しかったと実感している」と事業が順調に成長していることを強調。そのうえで、『沈黙の艦隊』のほかに、今年3月9日から始まる「2023ワールドベースボールクラシック」(WBC)の日本代表「侍ジャパン」の全試合をライブ配信することも発表した(26日付既報)。独占配信ではないため、児玉氏は「解説の面白さが重要」と差別化ポイントを挙げ、前日本代表監督の稲葉篤紀氏をはじめ、井端弘和、里崎智也、福留孝介の各氏を解説、辻発彦氏をスタジオコーディネーターに配したことをアピール。会場には里崎福留の両氏も駆けつけた。

 また、34年ぶりに復活する伝説のバラエティ番組「風雲!たけし城」を4月下旬から順次配信することも発表。同社の日本オリジナルコンテンツ製作責任者の早川敬之氏は「我々が今後日本のお客様にとってなくてはならない動画配信サービスとしてあり続けるために、今投資すべき重要コンテンツは何かを模索してきた。『たけし城』はまさにその神髄とも言える番組」と熱弁。続いて、制作協力したTBSの片山剛プロデューサーも登壇し、「オリジナルをちゃんと復活させられるのか、超えられるのかと心配したが、撮影の時は毎日笑いが止まらず疲れてしまったほど。非常に強い手応えを感じている」と自信を覗かせた。

 撮影は昨年夏、応募で選ばれた300人参加のもと、横浜にある広大なTBSの緑山スタジオの広場(2万坪)で行われた。見どころの一つは、海外から装置を取り寄せるなどして組んだ大迫力のセット。片山プロデューサーは「『たけし城』を当時作られていた(美術の)方はそんなに残っていないが、そのあとも『東京フレンドパーク』や『SASUKE』など色々なゲーム番組にノウハウが伝承されており、DNAを受け継いだスタッフが作ってくださった。今(このセットを)できるのはTBSの美術さんだけだと自負している」と胸を張った。なお、出演した谷隼人木村昴も登壇し、白熱したロケだったことを興奮気味に語った。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。