閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

東宝『ラーゲリ』完成で平野P〝運命感じる〟

【FREE】東宝『ラーゲリ』完成で平野P〝運命感じる〟

2022年08月18日
『ラーゲリより愛を込めて』会見に主演二宮ら出席 『ラーゲリより愛を込めて』会見に主演二宮ら出席

 東宝配給『ラーゲリより愛を込めて』の完成報告記者会見が17日、東京の帝国ホテルで行われ、瀬々敬久監督、平野隆プロデューサー、出演の二宮和也、北川景子をはじめ、この日出演が発表された松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕が出席した。

 第二次世界大戦終了後、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された山本幡男と、夫を待ち続ける妻・山本モジミの、11年におよぶ愛の実話を描く。辺見じゅんによる著書「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」(文春文庫刊)を、瀬々監督がメガホンをとって映画化した。はじめに挨拶した平野プロデューサーは「この映画を作りたいと思ったのはコロナ禍の前。社会全体が窮屈で、生きづらい時代になってきたなと感じていた。そんな折に、山本幡男さん(という存在)に出会い、どんな極限の状態にあっても人間らしく生きる姿に心を打たれた。そしてコロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、現代はその時(企画当初)に比べますます閉塞していると思う。この時にこの映画を皆さんにお届けできることを運命のように感じている」と、今だからこそ公開する意義のある作品だということをアピール。続いて瀬々監督も「この映画を作る前は、ウクライナで戦争が起こるなんて(雰囲気は)一切なかったような状況。それが今は(戦争が)すごく身近になっており、完成して皆さんに見て頂く意味合いをすごく感じている」と作品の存在意義がより高まっていることに触れた。

 撮影は昨年10~12月に行われ、大雪に見舞われる極寒の中で演技をする過酷な現場だった様子。主演の二宮は「ここにいるメンバーだけでなく、収容所(撮影)のメンバーもそれぞれベストパフォーマンスを出すためにコンディションを整えてきた。そういうことが分かると思うので、ご覧頂ければ」とコメント。完成した作品で初めて収容所のシーンを見たという北川は「(辛い収容所の中でも)日常に小さな喜びを見つけようとする山本さんたちのシーンの全てに笑ったし泣いた。台本では知っていたけど、こんなに良いシーンだったんだと思った」と感銘を受けたことを明かした。最後に二宮は「目を背けたくなるシーンがたくさんあると思うが、だからこそ、その中にある笑顔や涙が胸に来るものになっている。人間にとって大切なものを教えてくれる何かがあると思う」と締めくくった。12月9日(金)より公開。なお、同作には寺尾聰も出演する。寺尾は、同じ原作をドラマ化した「収容所から来た遺書」(93年)で山本幡男を演じた。今回は、幡男の長男・顕一の壮年期を演じている。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。