ハピネットファントム・スタジオ配給『名づけようのない踊り』は24日、千代田区の日本外国特派員協会で会見を開き、出演の田中泯、犬童一心監督が登壇した。
同作は、世界的ダンサーとして活躍する田中が世界をめぐりながら踊る姿と生き様を追っている。田中がポルトガルで踊る際に、犬童監督を誘ったことが制作のきっかけとなった。犬童監督は2年間にわたり、約30もの田中の踊りを追いかけ続けた。会見で田中は「僕自身は映像に踊りを映すことに疑問を持っていた。僕の踊りは、その場での1回限りのもの。そのまま映像化しても、その時々の空気は伝わらない。犬童監督が編集をすることで、踊りを再構築してくださいと伝えた。僕自身は踊りを踊る人間としてカメラの前に居ただけ。普段の撮影と違い、よーいスタートもなければ、NGもない」と振り返った。犬堂監督は、「どういう映画にしようかは決めないで、ひたすら泯さんの踊りを追いかけた。その後にシナリオを書いて、踊りを組みなおした。その際大切にしたのは、自分が実際に泯さんの踊りを観に行った時の時間感覚」と説明。また、田中は「犬童監督はこの映画を通して踊りの映画を作りたいと仰ってくれた。今や僕の踊りの仲間」とし、「僕は世界中で協力して、踊りにもう一度“根っこ”を付けたい。そのためにこの映画がいい例。この映画を基にして、どんな人ともいくらでも踊りのディスカッションができる」と語った。
28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9、Bunkamuraル・シネマ他全国公開。制作プロダクションはスカイドラム。製作はスカイドラム、テレビ東京、グランマーブル、C&Iエンタテインメント、山梨日日新聞社、山梨放送。