堤幸彦、本広克行、佐藤祐市の3監督らが、全く新しい映像化プロジェクト「SUPER SAPIENSS(スーパーサピエンス)」を立ち上げた。映画化やドラマ化といった枠組みは決めずにスタートし、既成概念にとらわれない企画として進めている。
3監督のほかに、『ミッドナイトスワン』の森谷雄プロデューサー(アットムービー代表)、gumiの創業者として知られる國光宏尚氏(フィナンシェ代表取締役)出席のもと、19日にe‐sports銀座で発表会が行われた。まだ走り出したばかりの謎に包まれたプロジェクトだが、各氏が断片的に説明した。それによると、昨今韓国の映像作品が世界的に注目を浴びる中、日本でも世界に通用する作品、クリエイターファーストによるオリジナル作品を作りだす必要があると考え、この企画を動かし始めたという。現在は堤監督が絵コンテを描いており、大まかなストーリーとして、「我々人類は、色々な闘争に勝利してここまで来ている。人類に負けていった者たちの気持ちに立つとどうなんだろう」と明かし、作品のタイトルは未定ながら「『サピエンス大戦』とか」(堤監督)といったイメージになるようだ。まずは絵コンテをもとに、株式会社コルク(代表取締役会長兼社長CEO:佐渡島庸平)プロデュースのもとでウェブトゥーン化(スマホ用タテ型マンガ)する。映像化は、本広監督や佐藤監督も含め、様々なクリエイターを巻き込んでいき、長期にわたって連作を公開していく壮大な展開を想定。森谷氏は「映画会社、配信会社の人も手を挙げて頂ければ」とプロジェクトへの参加を呼び掛けた。
また、今回の企画の肝として、「ファンと一緒に作る超インディペンデントプロジェクト」(森谷氏)を標榜し、サポーターと一丸となって作品を共創していくことを目指す。國光氏が代表を務めるフィナンシェのサポートのもと、ブロックチェーン技術を用いる「トークン」を基盤とし、単に応援してもらうだけでなく、ファンもプロジェクトに参画し、成功したあかつきには収益を得られるような形をとる。例えば、トークン保有者だけが参加できる「関係者用会議室」のようなコミュニティを設け、制作状況や撮影風景の可視化、情報共有のほか、シナリオ設定やプロモーション方法に関する支援者投票企画も行う。トークンの総発行数はあらかじめ決まっており、プロジェクトへの注目度が高まれば高まるほど、トークンの価値も向上。初期から多くのトークンを保有しているコアファンほど、多くの利益を得られるようになる。
堤監督は「今までの私たちからの一方通行ではなく、見る方も参加してもらう形になる」、森谷氏は「新しい仕組みづくり。この情報を見て、面白いなと思った人は参加してほしい」と話した。