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サウジのマンガプロと東映アニメに聞く共同制作

サウジのマンガプロと東映アニメに聞く共同制作

2021年06月11日
 サウジアラビアの大手アニメーション制作会社「マンガプロダクションズ」と、日本の「東映アニメーション」がタッグを組んで制作した長編アニメーション映画『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』(配給:東映アニメーション)が、6月25日(金)から劇場公開される。長編アニメ映画を製作するのはサウジアラビア初となる注目のプロジェクトだ。エグゼクティブプロデューサーを務めるブカーリ・イサム氏(マンガプロダクションズCEO)と、清水慎治氏(東映アニメーション顧問)に、この作品が持つ壮大な背景とサウジアラビア市場の将来性を聞いた(イサム氏は現地からオンラインで参加)。

 近年、サウジアラビアは石油による収入を軸としながらも、新たな収入源を確立するために、産業の多角化に挑んでいる。そのなかで、コンテンツを活用した経済の発展も重要施策のひとつに挙げられており、「特にコロナのあとは、アラブだけでなく世界でプラットフォームビジネスが盛んになり、コンテンツへの依存が強まりました。私は、アニメビジネスについては、(映像だけでなく)サプライチェーンとして見ています」(イサム氏)と、アニメに懸ける期待の大きさを窺わせる。

 マンガプロダクションズは、経済の多様化に力を注ぐムハンマド皇太子が10年前に設立した「ミスク財団」の子会社として、2017年に設立された。イサム氏は「マンガプロダクションズは、中東で唯一、漫画、アニメーション、ゲームを作っている会社です。しかし、我々はコンテンツだけで留めるのではなく、漫画カフェや、『ジャーニー』のアラブ世界におけるマーチャンダイズも出す予定です。これは、アラブ世界のIPとして初めてのケースです。将来的には『マンガランド』のようなテーマパークも作っていく予定です。そうなれば観光ビジネスに繋げられますし、仕事の創出も期待できます」と、『ジャーニー』をきっかけに様々なビジネスにチャレンジしていく構想を明かす。その目線は世界を向いており、「アメリカやヨーロッパ、アジアのIPに勝つようなものを作らないと競争できません。ですから、今回の東映アニメーションとのパートナーシップは非常に意味深いものがあります」と話す。……

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