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大阪アジアン受賞『クシナ』FCCJで会見

【FREE】大阪アジアン受賞『クシナ』FCCJで会見

2020年07月18日
 アルミード配給『クシナ』は15日、丸の内の外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を開き、監督の速水萌巴、稲本弥生、小野みゆきが登壇した。

 女だけが暮らす男子禁制の山奥の集落を舞台に、速水監督自身の過去の体験に根ざした母と娘の物語を描いた同作。大阪アジアン映画祭では、ジャパンカッツアワードを受賞。ニューヨークのジャパンカッツにも招待され、独特の感性と映像美によって支えられる世界観は、海外レビューでも高い評価を獲得。速水監督は、物語が自身と母親とのものに近すぎるという理由で2年前に1度は断った配給のオファーを、今年になって勇気を出して快諾。2年の時を経て、幻の映画が公開される。

 会見で、「なぜこのコミュニティについての映画を作ったのか?」と聞かれた速水監督は、「よく聞かれるが、コミュニティを(設定の)最初に設置したのではなく、まずはお母さんと娘の物語を描きたかった。舞台はたまたま森の中になった。日本だと、若くして妊娠して出産した人たちに対して厳しい考えがあるので、生きづらい人も沢山いると思うが、もしそういう人たちが樹海に入ってこういうコミュニティを見つけたら、おそらく皆住み着いていくのではないかと想像した。男性が行き着いてもそこにとどまることはないだろうなと思い、キャラクターをまず作って、それを動かしていくことで、物語を作っていったら、自然と女性だけの集落になった」と説明。また、「私たちは人生の中で色々な決断をしていくが、愛によって決断する時も何回か訪れる。愛を伴った決断はすごく力強いもの。ただその愛が、他者に、自分が思うように届いているかどうかはわからない。そこも考えてほしい」と作品に込めた想いを語った。

 24日(金)よりアップリンク渋谷他全国公開される。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。