【FREE】『MOTHER』披露、長澤まさみらが登壇
2020年06月17日
スターサンズ=KADOKAWA配給『MOTHER/マザー』の完成披露舞台挨拶が15日、スペースFS汐留で開催され、出演の長澤まさみ、阿部サダヲ、奥平大兼、監督の大森立嗣が登壇した。東京都が発表したコロナ禍を乗り越えるためのロードマップ「ステップ3」に沿って、会場の有効座席数を全席数の半分以下に設定し、コロナ禍以降に公開される新作映画としては“ほぼ初”の、監督・キャストが登壇する、マスコミ向け完成披露試写会を専門家の感染管理指導のもと、ソーシャルディスタンスを保ちながら実施した。
実話をベースにし、既成の価値観でははかれない親子の在り方を問いかける衝撃の感動作。『新聞記者』でこのほど発表された藤本賞に輝いた河村光庸プロデューサーが、実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て、『日日是好日』の大森監督とタッグを組み、新たな物語として映画化した。社会から孤立していくなかで、築かれる母と息子の歪んだ絆が、ひとつの殺害事件を引きおこす物語を描いた。
舞台挨拶では、主演、母親・秋子役を演じた長澤が、「映画が公開できると聞いて、とても嬉しかった。“今年は無理かも”と思っていたし、たくさんの人に待ってもらっているのを実感できた作品だったので、映画館も再開していますし、ご自身の体調を気にしながら、できれば映画館にぜひ観に行ってもらいたい」とコメント。また、作品について長澤は、「本作のタイトルは『MOTHER』だけど、母から受けた影響ってとても大きいなと感じたところがあって、脚本を読んで親の子供への影響や責任に関して考えさせられ、この役をぜひ演じてみたいと思っていた。秋子はほんとひどい親だけど」と率直な感想を語った。
秋子と内縁の夫になるホスト・遼役を演じた阿部は、「秋子もひどいけど、遼が一番悪い」「やっぱり周平(奥平)をいつか助けたいなって、お客さんに思ってもらえれば」と言い、長澤は「きっと秋子と遼はどこかで補いあって、惹かれあっていた。まわりの家族がいることでやっと立てていた。弱い人と片付けちゃいけないんだろうけど、愛情は少なからず持っている人」と述べた。
秋子の息子・周平役を演じた奥平は、「大変な状況だけど、ぜひ映画館で観てもらって、もしかしたら身近にこういう環境の人がいるのではないかと、少しでも気にしてもらえたらなと思っている」とコメント。大森監督は「俳優たちのすばらしい演技をみてほしい。そして深く心に残る映画なので、自分の判断で無理をせずに、映画館に足を運んでもらいたい」と締めくくった。
7月3日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他全国公開。
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