【FREE】Help!The 映画配給会社プロジェクト
2020年05月16日
独立系映画配給会社が、コロナ禍の難局を乗り越えるために、「Help!The 映画配給会社プロジェクト」を立ち上げた。
その緊急アクションとして「配給会社別見放題パック」をスタートする。
アップリンク・クラウドを配信サービスとし、各配給会社が自社の過去作品をパックにして配信。参加会社は、配信メンバーは、15日から行う第一弾(5社)がクレストインターナショナル(12作品)、ザジフィルムズ(30作品)、セテラ・インターナショナル(15作品)、ミモザフィルムズ(12作品)、ムヴィオラ(21作品)、22日から行う第二弾(8社)が彩プロ、アンプラグド、エスパース・サロウ、オンリー・ハーツ、サンリス、シンカ、ハーク、マジックアワー。賛助会社には、キノローグ、サニーフィルム、チャイルド・フィルム、ドマ、ノンデライコ、パンドラ、ユナイテッドピープルが名を連ねている。配給会社により、作品数が異なるため、配信期間、料金はそれぞれ異なる。
同プロジェクトでは、ステートメントを発表。一部抜粋する。
「映画館に観客が行けない今、独立系配給会社にはほとんど収入がありません。しかし、私たちがここで倒れては、ミニシアターに映画を届けることができなくなり、世界の映画人が日本の観客に映画を見てもらう機会が失われてしまいます。そして小さな会社といえど、私たちにも大切なスタッフがいて、字幕翻訳者、グラフィックデザイナー、予告編制作者、webデザイナー、パブリシスト、通訳など多くの仕事仲間がいるのです。もちろん、 国や自治体の補償を訴えることも大切ですが、待っていては倒産する配給会社も出るでしょう。私たち自身の足で立って、歩かなければなりません」。
「私たちの財産は、映画しかありません。世界の多様な映画です。配信で、そうした多様な映画を見てもらうことで観客の力を借り、この難局を乗り越えたいと思うのです。配信は過去作に限り、あくまで新作は映画館で公開してミニシアター映画館の収益を確保しながら、過去作の配信によって少しでも経営を安定させ、映画館や仕事仲間達と築いてきたこの事業の継続を目指したいと考えています。そしてこのプロジェクトによって、今まで見えにくかった『映画配給』という仕事を一般の方々にも知っていただき、各配給会社の個性も感じていただきながら、いま、世界中の国々が物理的な鎖国状況にある中で、映画で世界とつながることの価値を感じていただけたらと願っています」。
また、このプロジェクトに対して、映画監督、興行関係者など世界の映画人38名が参加した応援動画メッセージが制作され、現在ユーチューブで配信されている。
なお、同プロジェクトは、将来的には独立系映画配給会社団体として、諸課題の改善や情報共有に取り組みたい考えだ。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。