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『アド~』ブラピ来日“昼は俳優、朝夜はP”

【FREE】『アド~』ブラピ来日“昼は俳優、朝夜はP”

2019年09月14日
『アド・アストラ』を引っ提げてブラピが来日 『アド・アストラ』を引っ提げてブラピが来日

 FOX配給『アド・アストラ』主演ブラッド・ピットの来日記者会見が13日、お台場の日本科学未来館で行われた。

 同作は、地球からはるか43億キロ離れた太陽系の彼方で消息を絶った父を探す旅に出る宇宙飛行士の物語。主演とプロデューサーを兼務したピットは「昼は俳優、朝と夜はプロデューサーという分け方だった。撮影後も音楽や編集など全てに関わるわけで、ルービックキューブをやるような感覚だった」と多忙を極めた制作時を語った。また、初めて宇宙を題材にしたSFにチャレンジした理由について「このジャンルは優れた作品がたくさんある。やるなら今までの作品とは全然違う、このジャンルに貢献できるものをやりたいと思っていたが、友人のジェームズ・グレイ(監督)が企画を持ってきてくれた」と経緯を述べ、「ピーターパンのようにワイヤーに吊るされ、回転・上下させられた。どこまでなら吐かずに耐えられるかを調べるため、まずは限界までテストするんだ(苦笑)」と過酷な現場を振り返った。

 壮大な宇宙空間が舞台の作品だが、ピットは「できるだけCGに頼らず、古いやり方で撮影した。アナログとCGをミックスした感じ。おかげで真実味のある作品になったと思う」と映像のクオリティに大満足の様子。ストーリーについては「人間というものの謎を、比喩的に象徴しているのが宇宙だと思う。(主人公の)ロイは、人生の中で全てがうまくいかず、自分の存在価値を見つけられなくなっていて、太陽系の一番遠いところまで行って、今まで抱えてきた喪失感、後悔、自分への疑念と対立しなければいけない。映画の魅力は、人間の持つ色々な葛藤にスポットをあてられること」と説明した。

 会見には、元宇宙飛行士で日本科学未来館館長の毛利衛氏と、宇宙飛行士の山崎直子氏も登場し、毛利氏は「(ピットの)表情が非常に繊細。本物(の宇宙飛行士)以上。やはり凄い俳優」と評すると、山崎氏も「宇宙に行く時は子どもを残し、家族に心配をかけるので、この映画は心をえぐられた。だからこそ映画が深い」と危険を伴う宇宙飛行士ならではの視線で作品を絶賛した。

 会見は、登壇者の背後にある直径約6mの大型球体ディスプレイに、地球の映像を投射しながら行われた。普段とは一風変わった場所での会見に、ピットは「ここ最高だね」とご満悦の表情で、終始和やかな雰囲気で進行した。9月20日(金)公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。

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