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松竹=AA『人間失格』ヴェネチアに蜷川監督

【FREE】松竹=AA『人間失格』ヴェネチアに蜷川監督

2019年09月05日
 松竹=アスミック・エース配給『人間失格 太宰治と3人の女たち』(13日公開)では、現地時間9月2日、第76回ヴェネチア国際映画祭の公式イベント「ジャパン・フォーカス」で記者会見を実施。監督の蜷川実花、プロデューサーの池田史嗣が登壇した。なお、同会見は、現地で上映した『蜜蜂と遠雷』『カツベン!』『楽園』を含めた4作品の合同記者会見。同日夜にはレッドカーペットも行った。

 蜷川監督が、天才作家・太宰治のスキャンダラスな恋と人生を大胆に映画化。太宰役を小栗旬、彼を取り巻く3人の女を宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみが演じている。

 会見で同作の見どころを蜷川監督は「クリエーターとして、“人であることをやめて創作する”ということに対して、どのように向き合って、どう気持ちの整理をしていくのかということに自分自身興味があった。そういう太宰像をしっかり描けた」と宣言。さらに、「女たちが、ダメな、でも魅力的な男に振り回されて、それでも自分で強く生きていくという視点も、もう1つのテーマ。3人の女性の生きざまにもフォーカスしているので、そこも楽しく観てほしい」とし、「日本の美しい四季がフィルムにしっかり映っているので、その美しさも堪能してほしい」と世界にアピールした。

 池田プロデューサーは、「モノをつくる人間の持つ業のようなものや、その制作に彼の周囲の女性たちがどのように影響していたのか。モノづくりの業と、宿命の恋という二つが、おそらくクリエーターであれば世界中の方々がみて考えることができるテーマだと思っている」と語り、「蜷川監督がこの作品の監督をしてくれたことは非常に大きい。世界的な演出家であった蜷川幸雄さんの娘さんで、ご自身は写真家であり世界のトップクリエーターとして活躍。日本の映画界に進出されている。日本では女性の監督は少なく、蜷川さんはこの時代の女性監督のトップランナーとして日本映画界を切り拓いている人だと思う」と賛辞の言葉を贈った。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。