歌手の森昌子が28日、東京・文京区のキングレコード本社別館7階会議室で引退会見を開いた。
3月25日に自身のホームページで2019年をもって芸能界から引退することを発表。翌26日に開催したツアー「森昌子 祝還暦コンサート~爆笑!コントで綴る昭和歌謡パート3~」埼玉・飯能市市民文化会館公演でファンに引退を生報告。そしてこの日マスコミ向けの引退会見を開いた。
冒頭、森は「年内をもちまして引退させて頂くことになりました。2度目の引退ですので、本来このような記者会見は非常に恥ずかしいのですが、3度目はございませんのでよろしくお願いします」と挨拶。
引退の理由について「昨年10月還暦を迎え、その時初めて『私も60歳になるんだ…』と、ふと考えてしまうようになりました。これから残された人生、あとどれくらいあるのかと真剣に考えるようになりました。幼少期から今まで自分の時間を使った時が少なく、悲しいことに思い出もそんなに多くありません。芸能活動以外に時間をかけてこれからの自分の人生を大いに楽しんで、大変勝手でわがままとは思いますが、このように決断いたしました」。
このタイミングで発表したことについて「本来でしたら6月ごろにファンの皆さまにご報告してから終ろうかと考えていましたが、日々の雑誌や新聞のお仕事の中で記者の方から、これからの目標や50周年に向けて何か考えているのですか、とたずねられる度に口ごもってしまい、中々、本当のことが言い出せませんでした。その苦しさもあり、このままでは無理だなと自分で判断しました」。
家族への報告は「母には3月13日、87歳の誕生日に久しぶりに2人で食事をして報告しました。『昌子、よく14年間頑張ってくれたね。ありがとね』と言ってくれました」。互いに忙しく会う機会が少ない子供たちにはメールで報告。「『お母さん、お疲れさまでした』と返信がありました」。この日3月28日は父の命日でもあり「父が天国で見ているのかな。こんな偶然あるのかなと思いました」。
花の中三トリオ(森昌子、桜田淳子、山口百恵)の2人には「特別には報告していませんが、淳子ちゃんからは昨日、『これから時間がいっぱいできるから、いろんな所に遊びに行こうね』というメールを頂いたので、誘ってねと返信しました」。
歌手人生を振り返って「時代にも、ファンの皆さま、関係者の皆さまにも恵まれた歌手人生だったと思います。でも、残念ながら私の力不足で、いい楽曲がたくさんあるのですが、それを中々お伝えすることができていなくて…。そういう歌を歌い継いで頂ければという思いはあります」。
ファンに向けて「本当に長い間、応援をして頂きありがとうございました。森昌子は皆さまのおかげでとても恵まれた歌手生活でした。これから残された時間、皆さまの感謝を胸に精一杯、皆さまの心に残るいい歌をお届けすべく、全身全霊で歌ってまいります。どうか最後のその日が来るまでお付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます」と語った。
森は1958年10月13日生まれ、栃木県出身。71年「スター誕生!」初代グランドチャンピオンに輝く。72年、13歳の時に楽曲「せんせい」で歌手デビュー。86年8月結婚のため引退。06年に復帰。18年10月発売「あなたの愛に包まれながら」がキャリアラストシングルとなる。現在ツアー「森昌子 祝還暦コンサート~爆笑!コントで綴る昭和歌謡パート3~」を開催中。年内継続し12月25日にラストコンサートを予定。