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エスパース『We Margiela~』トークイベ決定

【FREE】エスパース『We Margiela~』トークイベ決定

2019年02月08日
 エスパース・サロウ配給『We Margiela マルジェラと私たち』が8日(金)よりBunkamuraル・シネマ他全国順次公開されるが、同館では9日(土)、10日(日)にトークイベントを開催する。

 同作は、メディアに匿名性を貫き、ファッショニスタから熱烈に支持されながらも2009年に表舞台から突然姿を消したデザイナー、マルタン・マルジェラに迫るドキュメンタリー。日本公開が決定する前より、ファッション業界から注目を集め、マスコミ試写でも評判が高かった。

 ル・シネマのトークイベントは、▼9日10時40分の回後=北村道子氏(スタイリスト)×鈴木親氏(写真家)▼10日10時40分の回後=藤本祐氏(モデル事務所代表)、菊田琢也氏(ファッション研究家)のスケジュールで開催する。

 また、同作についての北村・鈴木・藤本の各氏コメントを次の通り紹介する。▼北村道子氏「完成させない、不比率の洋服。100%の服に対するクリエイション。美しいものはそこから生まれてくる事を彼は知っている」▼鈴木親氏「彼自身について映画の中の人達のように僕が何か言えることは無いが、一つ言えることは彼は存在していて、彼の創り出した世界は今も、ずっと永遠に終わらない物語のように紡がれていっている」▼藤本祐氏「彼らのショーにモデルとして出ることは、彼らの共犯者になることを意味していた。なので、モデルも『we』である。語らなくて済むのであれば私はいつでも語りたくない。『情報』になる前に逃げること。それが彼らから学んだ最大のことです」。

 その他、内田也哉子氏(文筆業)も、亡き母・樹木希林との想い出と絡めて、同作について次の通りコメント。「こどもの頃、服を買ってもらった記憶がない。例えば、大人の古着のTシャツを肩上げしたワンピースを着させられたり、思わぬシミが付いた服には、絵の具で絵を描かされた。唯一、買ってもらった新品のカットソーを、母が『これはバランスが悪い』と言って、おもむろにハサミで片袖を切り落とした。大人になり出会ったマルジェラは、どこか懐かしく、自由で胸が張り裂けそうな服だった。これは、服の誕生に携わった人それぞれの真実が語られたフィルム。けれどマルタン自身はどこにもいない。彼の真実は服の中に封じ込められているだけ」。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。