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東アジア文化都市PR映像を山下監督ら担当

【FREE】東アジア文化都市PR映像を山下監督ら担当

2018年11月08日
左より古川、久野、山下の各氏 左より古川、久野、山下の各氏

 日中韓の3カ国で毎年各国1都市ずつ選定し、年間を通じて文化芸術イベントを開催して文化交流を図る国家的プロジェクト「東アジア文化都市」は、2019年開催の日本の都市が豊島区に決定した。来年2月に開幕式典が行われるのに先がけ、キックオフイベント「東アジア文化都市2019豊島 シンポジウム」が6日夜、帝京平成大学・冲永記念ホールで盛大に開催された。

 イベントでは、高野之夫豊島区長の挨拶後、文化庁の中岡司次長が、今年8月30日に中国ハルビン市で行われた文化大臣会合で、来年の東アジア文化都市は、日本は豊島区、中国は西安市、韓国は仁川広域市で開催されることが決まった経緯などを語った。その中で、豊島区では、「舞台芸術」「祭事・芸能」と並んで、「マンガ・アニメ」を今回の事業の柱にすることが説明された。詳細は今後発表されていくが、その取り組みの1つとして、東アジア文化都市のプロモーション映像をアニメーションで制作。この日初めて披露された。

 同プロモーション映像は、実写映像をもとにアニメーション化する手法「ロトスコープ」で制作され、アニメを久野遥子監督、基となる実写映像を山下敦弘監督が担当した。プロモ映像(1分/20秒)は、少女が豊島区の歴史や魅力を発見していく内容で、後半には、豊島区にあったトキワ荘と、若き日の手塚治虫を彷彿させる作家が登場する。シンポジウムでは、久野・山下両監督と、「マンガ・アニメ」部門総合ディレクターである古川タク氏が登壇。山下監督は「(ロケハンで)トキワ荘のあったところを見て感動した」と話し、久野監督は「ロトスコープは、実写をそのままアニメに起こすと不気味になってしまうので、(少女を演じた)瑛子ちゃんの表情を生かしながら(アニメとして自然に観られるよう)作業した」とアニメ制作において工夫したポイントを説明。古川氏は、トキワ荘の存在と、アニメ文化で沸く現在の池袋は必ずしも繋がっていないと指摘し、「『過去』と『現在』をつなげ、世界にも通用するものを作っていきたい」と抱負を語った。この映像は公式ホームページで配信開始されたほか、来年1年間を通じて豊島区のいたるところで放映される。

 なお、イベントでは日本動画協会事務局長の植野淳子氏も登壇し、日本のアニメの歴史をスライドを交えながら説明した。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。