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日活『デイアンドナイト』藤井監督ら完成報告

【FREE】日活『デイアンドナイト』藤井監督ら完成報告

2018年10月10日
全面プロデュースを手掛けた山田孝之 全面プロデュースを手掛けた山田孝之

 日活配給『デイアンドナイト』の完成報告会見が5日、有楽町の東京国際フォーラムで開催、出演の阿部進之介、安藤政信、清原果耶、監督の藤井道人、初の全面プロデュースを手掛けた山田孝之が登壇した。

 藤井監督の完全オリジナル作品。脚本開発に4年。主演の阿部が企画・原案を兼ね、藤井監督とビジョンを描いた。その構想を聞いた山田孝之が自らの希望でプロデューサーとして参加する。2017年11月、雪が降る秋田県でロケを敢行、10月現在「某アーティストの楽曲を入れる」(山田P)作業のみを残してほぼ完成している。

 作品テーマは “善と悪はどこからやってくるのか。” 。阿部が演じるのは、善悪の境界線で葛藤を抱えながら自殺した父の復讐に駆られていく主人公・明石幸次。幸次が働く児童養護施設のオーナー北村役を安藤、孤児の少女役を清原が演じる。ある日、幸次は北村が犯罪集団を率いていることを知る。孤児たちを施設で父親同然に養う北村は、盗難車の違法販売、水商売の元締めなどによって子どもたちを生かす金を稼いでいた。「大切なものを守るためには、犯罪もいとわない」という北村の道徳観に違和感を抱きつつも、幸次は正義と犯罪を共存させる彼の姿に魅せられていく――。

 会見で阿部は、「藤井くんの自主映画を観て、素晴らしいと感じた。その後、藤井くんの作品をいくつか観せてもらううちに仲良くなっていった。映画を一緒に撮ろうという話になり、ある日孝之にもその話をした。それから3人で企画を考えていった」と経緯を明かした。

 山田Pは「最近変な仕事ばかりしていて、俳優として危機的状況に陥り、自ら映画を作れば何とか存続できるのではと思い当たり、阿部ちゃんと藤井くんが企画を練っていたところに、ここしかない、と入り込み、何とかホンを一緒に作った。しかし、キャスティングされず、何とかプロデューサーというところにしがみ付いてこの場にいる」とジョークで切り出しながらも、「(善悪という)常に答えが出ないものを描いた。観た人が周囲と話し合うキッカケになれば、意味のある映画になると思う」と作品に込めた思いを話した。

 藤井監督は「誰かからお願いされて始まった企画ではないので、脚本は納得いくまで作った。その間、作品のモチーフの風車を探しに行きもした。2年、3年と時が経ち、そろそろ撮らないといけないとなったのが2017年。こんなに面白い脚本づくりはもうないと思う」と振り返った。

 2019年1月19日秋田県先行、26日より全国公開される。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。