【FREE】なら国際とベルリン提携、SSFFコラボも
2018年06月07日
第20回ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)と、第5回なら国際映画祭(隔年開催)は共同で5日夜、映画の教室「シネヴィジョン」を虎ノ門のアンダーズ東京で行い、それぞれの映画祭より別所哲也代表、河瀨直美エグゼクティブディレクターが登壇。この日、河瀨が別所に映画祭を続けていくコツや、想いを尋ねるなどし、トークを展開した。また、トーク終盤には、なら国際映画祭から4種の発表があった。
まず、ポスタービジュアル3種を披露。一般公募でオーディションを行い、1人のキッズモデルを起用。河瀨曰く、「中性的な顔をした子を選んだ。実際に会うと、少し変わった子で、独特の雰囲気があり、即決した」という。古都・奈良を彷彿とさせる伝統衣装を身にまとった子どもが、映画ならではのアイテムであるカチンコ、映写機、ポップコーンをそれぞれ持ち、キャッチコピー “古都からコトをつくる・みせる・みる” を表現している。
次に、カンヌ国際映画祭と提携してきたなら国際映画祭であるが、このほどベルリン国際映画祭ともパートナーシップを結ぶ。コラボするのは、ベルリンの「ジェネレーション部門」。この部門は、子どもが審査員を務めるという、珍しい試みを実践している。なら国際映画祭でも、同様のことにチャレンジしていくが、河瀨は「子どもならではの感性がある。かつて皆さんが子どもだった頃、 “子ども扱いしないで” と思ったはず。その感覚を奈良でもやりたい、とベルリン側に伝えたら、 “私たちもそういう気持ちでやっているのよ” と返事をいただいた。子どもにとっても、諦めないで議論することの大切さを、映画を通して学んでほしい」と説明した。別所も、「子どもの瑞々しい感性には、僕たち大人が忘れてきてしまったもの、蓋をしてしまっているものが秘められているに違いない」と共感した。
3つ目は、今年のなら国際映画祭コンペティション部門の審査委員長に、カンヌパルムドールに輝いた『4カ月、3週間と2日』で知られる、クリスティアン・ムンジウが就任したこと。最後に、SSFF&ASIAとの共同企画、映画の教室「シネヴィジョン」を9月22日、世界遺産、奈良県の春日大社で行う。別所、ムンジウが登壇するもの。
SSFF&ASIA2018は24日まで渋谷を中心に都内で開催。第5回なら国際映画祭は、9月20~24日、奈良県各所で開催。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。