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『万引き家族』是枝監督凱旋、拡大と先行も

【FREE】『万引き家族』是枝監督凱旋、拡大と先行も

2018年05月25日
凱旋帰国会見に臨んだ是枝監督 凱旋帰国会見に臨んだ是枝監督

 ギャガ配給『万引き家族』の是枝裕和監督が23日に帰国し、羽田空港で行われた記者会見に臨んだ。夜遅い時間だったが、約80人のマスコミが詰めかけ、改めてカンヌ国際映画祭パルムドール受賞の注目度の高さを示した。

 多くのフラッシュを浴びながら、トロフィーを抱えて登場した是枝監督は、「(受賞の)実感が湧いてきた。来月の公開に向けて、宣伝活動を始めなければならないので、気合を入れないとなと思っている」と話し、その後質疑応答を受け付けた。『誰も知らない』の主演男優賞、『そして父になる』の審査員賞受賞時との違いを問われると、「『誰も知らない』の時は子供たちの世話で手一杯だった。(今回)公式上映後に受けた取材では、記者たちから『Touch』と『Love』という言葉が一番多かった。それで、届いたなと良い手応えは感じた」と語り、注目を浴びている子役の城桧吏については「普段は実年齢より子供っぽいのに、レンズを通すと色っぽい」と魅力を説明した。「映画の中で注目してほしいポイントは?」と聞かれると「役者のアンサンブルがとてもうまくいった。自分なりの子供への演出と、演出も担える樹木(希林)さんとリリー(・フランキー)さん、安藤(サクラ)さん、松岡(茉優)さんも相手の演技を受けるのが上手でバランスがよかった」と俳優陣の演技を見どころに挙げた。

 また、今後も世界に認められる映画が作られていくために日本がやるべきことについては「色々な課題がある。現在はオリジナル脚本で企画が通り映画が製作されることは少ない」とし、「新たな監督たちを生み出すことは、僕にとっても刺激になるので、映像集団をつくり新しい監督をデビューさせようとその支援を始めている」と新たなクリエイター発掘に向けた自身の活動を明かした。また、カンヌを出国後、帰国前にニューヨークに寄ったことについては「色々差支えがあって喋れないが、近いうちに情報が発表されるかと思う。でも、打ち合わせはうまくいった。受賞して良かったなと思った(笑)」と今後の作品への期待も膨らませた。

 今回の会見の様子は24日正午の時点で、計11番組22回の大量露出となった。また、賞の結果を受けて、日本公開館数は当初予定していた200館から300館に拡大が決定。さらに、6月8日(金)の全国公開に先駆けて、6月2日(土)、3日(日)の2日間限定で先行上映されることが決まった。海外では149の国と地域に販売が決まり、今後も更なる増加が想定される。

 

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。