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ツタヤの企画コンペ応募説明会に受賞者登壇

【FREE】ツタヤの企画コンペ応募説明会に受賞者登壇

2018年04月28日
TCP受賞者の片桐監督(左)と針生監督 TCP受賞者の片桐監督(左)と針生監督

 今年で第4回となる映画企画コンペティション「TSUTAYAクリエイターズ・プログラム フィルム2018」(主催:カルチュア・エンタテインメント、TSUTAYA)の応募説明会を兼ねたトークイベントが26日、東京・渋谷のCCCカフェで行われ、第1回準グランプリ『ルームロンダリング』の片桐健滋監督、第3回グランプリ『2/1 イチブンノニ』の針生悠伺監督、TCPプロデューサーの遠山大輔氏が出席した。会場では、今回のコンペに応募を考えている約50名が3人のトークに聴き入った。

 企画を応募した時に重視した点について、片桐監督は「TSUTAYAに出すならエンタメ性の高いものを考えた。企画書の文言は、面白そうと思ってもらえるものを大事にした」と振り返り、クローンを題材にした企画で受賞した針生監督は「AIやロボット全盛の今、クローンを通して人間を見つめ直す作品なら面白いのではと思った」と語った。2人の意見に納得顔の遠山Pは、片桐監督のエンタメ性について「その視点はかなり重要。『ルームロンダリング』は1次審査から(審査員の)みんなが面白いと言っていた」と裏を明かし、針生監督の視点にも「時代性をどう捉えるか。斬新さが必要」と同調した。

 客席からは、受賞したあとから実際に映画化するまでのスケジュールに関する質問が上がり、すでに作品を完成させた片桐監督は「(15年秋の受賞後)まずどのプロデューサーと組むのかを話し合い、次は脚本のブラッシュアップ。僕のは脚本に7か月かかった。キャスティングは3か月で、主役のスケジュール合わせで『このあたりから撮影しましょう』となった」と話した。普段は助監督を務めている片桐監督だが、撮影の準備期間は仕事もセーブ。「生活は大変になる。僕の場合は、懇意にしているザフールさんから仕事をもらっていた」と、個々で普段の仕事との折り合いをつける必要性を強調した。

 第1回受賞の『嘘を愛する女』と『ルームロンダリング』はともに応募者が監督を務めていることから、「企画が受賞したとして、別の人に監督をしてもらってもいいのか?」という質問も飛び、遠山氏は「監督募集ではなくあくまで企画募集なので、それでも問題ない」と返答。「第3回までの受賞11作品の共通点は?」という質問には「お客さんを意識しているか?という点。自分自身を描くだけの作品は通りづらいかもしれない。観客を楽しませ、喜ばせるものを意識している人が最終審査に残っている」と自身の考えを述べた。

 最後に片桐監督は「難しいことは考えず、まずは(企画を)出してみることが大事」と呼びかけ、針生監督も「未完でもまずは出してみて。結果的にこうなって(受賞)も、周りが力を貸してくれる」と、映画化に向けたサポート体制の充実ぶりを窺わせた。募集は先ごろ開始し、6月5日(火)まで受け付けている。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。