東宝は、TOHOシネマズ日劇閉館前日の3日夕より、日劇2でゴジラ映画を続々と上映した。『ゴジラVSメカゴジラ』上映時には出演の高嶋政宏、大河原孝夫監督、富山省吾プロデューサー、その後行われた「メカゴジラナイト」でも、大河原監督と富山Pに加え、中野昭慶特技監督、手塚昌明監督が登壇してトークイベントを行った。
『ゴジラVSメカゴジラ』(93年)に出演した高嶋は、「東宝で撮るゴジラ映画というのは、イコール黒澤組。黒澤監督がいらっしゃらないだけで、スタッフさんはほぼ黒澤組。映画の金字塔とも言える現場だった」と撮影時を振り返り、大河原監督は「特撮で言えば、クライマックスの幕張メッセでの精緻な戦闘。本編で言えば、ベビーを含めた人間模様のドラマ。それが最後に向けて集約していくので、楽しんで頂ければ」とPRした。
「メカゴジラナイト」で、『ゴジラ対メカゴジラ』(74年)の製作経緯について聞かれた中野特技監督は「別の作品の撮影中に、プロデューサーから『今度ゴジラ20周年という肩書で気合いを入れて作品を作りたい。何か新しい怪獣を考えておいてくれ』と言われた。そこでつい『ゴジラの前にゴジラなく、ゴジラの後にゴジラなし』と偉そうなことを言ってしまった。『ゴジラの相手はゴジラでしょ。ロボットを作れば?』と言った」と語り、富山Pはこのメカゴジラの提案に対し「ゴジラにとって最強の敵はゴジラだろうと思ったが、一本の映画の中にゴジラを2体出すわけにはいかない。それを見事に、しかもゴジラの姿で登場させるという、こんなに素晴らしいアイディアはなかったと思う。メカゴジラが出てきたときは本当にびっくりしたし、背中が破れて金属が見えるところは、本当にゾクゾクする」と絶賛した。