東宝配給『メアリと魔女の花』の完成披露イベントが22日、六本木ヒルズアリーナで開催され、出演の杉咲花、神木隆之介、小日向文世、佐藤二朗、遠藤憲一、大竹しのぶ、監督の米林宏昌、プロデューサーの西村義明の各氏が登壇した。
スタジオジブリを退社した西村氏が15年4月に設立した、スタジオポノック長編作品第1弾。3年の歳月をかけこのほど完成。西村氏は、「やはり米林監督と僕はジブリが好きでジブリに入った人間だから、ジブリを超えたいとは思っていない。ジブリの凄さである、単に面白いものという訳ではなく、今意味があるものを創る意識を現場で共有した」とコメントした。米林監督は、「ジブリ退社後、どうしてももう一本撮りたかった。当初オフィスがなかったので、喫茶店で西村さんと脚本を考えていた。こんな(華やかな)場所でお披露目できることがとても嬉しい」と喜びを語った。
ストーリーは、「前作『思い出のマーニー』とは逆の、動く物語」(米林監督)。「夜間飛行」という名の魔女の花を探す、メアリの旅が描かれている。米林監督は、「ウソも付くし、調子にのって失敗もするメアリという役は、演じる人によっては、嫌われかねないキャラクター。けれど、杉咲さんに演じてもらったことで、魅力的で応援したくなる存在になった」と杉咲の演技を絶賛。杉咲は、「メアリと一緒になって頑張る様に演じた」とアフレコを振り返った。
西村氏によれば同作には、「(米林監督にあった)ジブリのフタが外れ、米林監督がやりたいことの全てを詰め込んでいる」。また、ゼロ号試写には、ジブリの鈴木敏夫、高畑勲の2氏が出席し、鈴木氏からは、「ジブリの呪縛から君たちが解き放たれた時、こういう映画ができるんだね。伸び伸びとした良い映画だと思うよ」。高畑氏からは、「好感のもてる映画」とコメントを貰ったようだ。「俺は観ない」と宮崎駿氏は言いつつも、「よく頑張った」と労苦をねぎらったという。
製作幹事は、日本テレビ。日本テレビ系列「金曜ロードショー」では、米林監督のこれまでの作品『借りぐらしのアリエッティ』を7月7日、『思い出のマーニー』を7月14日に2週連続放送する。
また、『メアリと魔女の花』の映画制作の全貌を明らかにする展示会「メアリと魔女の花 ジ・アート展」を7月26~31日、都内の小田急百貨店新宿店本館11階で開催する。東京を皮切りに全国で巡回開催する。
『メアリと魔女の花』は、7月8日より全国ロードショー。