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角川『沈黙~』スコセッシ来日で映像初披露

【FREE】角川『沈黙~』スコセッシ来日で映像初披露

2016年10月21日
角川『沈黙』記者会見、左から窪塚、スコセッシ、浅野 角川『沈黙』記者会見、左から窪塚、スコセッシ、浅野

 KADOKAWA配給『沈黙‐サイレンス‐』のマーティン・スコセッシ監督が来日し、19日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた記者会見に出席した。出演の窪塚洋介、浅野忠信も参加した。また、日本公開の初日は1月21日と発表された。

 原作は、戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)。舞台は17世紀、江戸初期の長崎。キリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いたポルトガル人の若き宣教師らを描いている。

 スコセッシは、人間としてのイエス・キリストを新解釈で表現した問題作『最後の誘惑』を発表した1988年、この原作と運命的に出会う。完読したのは、黒澤明監督『夢』に出演している最中。数年経った後、脚本執筆を始め、2006年に書き終えている。スコセッシが原作と出会ってから約28年間の歳月が経ち、完成を目前に控えている。

 記者会見当日は、世界初公開の特別フッテージ映像が日本のマスコミ・関係者だけに向けて上映された。キリシタン弾圧を描いた4シーンを15分間で紹介。窪塚、浅野、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、イッセー尾形らが主演アンドリュー・ガーフィールドと絡む演技では、英語セリフを話す姿も見られた。キリシタン弾圧の緊張感漂う映像が終わると、会場からは拍手が起こった。

 上映後、スコセッシ、窪塚、浅野が登壇。28年間温めてきた企画について、スコセッシは、「ずっとこの作品について考えてきた。この原作を映画化できて、とても嬉しく思い、語っても語りつくせない」と喜びを表現し、「しばしば裏社会を描いてきたが、様々なテーマを深堀りしていく必要性を感じていた。原作の『信仰とは何か』というテーマが、元々カトリックの家庭で育った私には興味深く、私の心を掴んで離さなかった。映画を通して、『文化の違い、衝突』を描いた」とコメントした。

 窪塚、浅野は共に、オーディションで出演が決まった2人。スコセッシは、重要人物の1人キチジロー役を演じた窪塚について、「キチジローは難しい役。映像で彼の演技を初めて見たが、フレッシュさを感じたし、何よりも役を心底理解していた。2014年に日本のホテルで実際に会い、彼に決めた」。通辞(通訳)役の浅野については、「彼もキチジロー役でオーディションを進めていたが、彼の出演作品を見て、判断し、実際に演じてもらった通辞役に決まった」と紹介。加えて、「現場では彼らを始めとする、素晴らしい日本人キャストに囲まれて、幸せだった。今日は2人に再会できたことがとても嬉しい」と振り返った。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。