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松竹配給『秘密~』完成報告会見に大友監督

【FREE】松竹配給『秘密~』完成報告会見に大友監督

2016年05月12日
『秘密』記者会見(左から大友監督、栗山、岡田) 『秘密』記者会見(左から大友監督、栗山、岡田)

 松竹企画・配給『秘密‐THE TOP SECRET‐』の完成報告会見が11日、千代田区の東京国際フォーラムで行われ、大友啓史監督、出演の生田斗真、岡田将生、松坂桃李、栗山千明、大森南朋が登壇した。

 原作は清水玲子の同名大ヒットコミック(白泉社刊、メロディ連載)。実際にあった事件や社会問題を大胆に取り入れ、リアルに組み立てたストーリーと登場人物それぞれが隠す驚愕の“秘密”で読者を引きつけ、ロングセラーとなった。

 会見では“脳内の記憶を映像化し、迷宮入りした難事件の謎を解く”といった設定で展開される、ミステリー・エンタテインメント超大作映画に仕上がったことが発表された。その捜査を行うのが、警視庁の特別機関「第九」。「第九」室長の薪剛役を演じた生田は、「とんでもない作品となった。問題提起をしていきながらも、エンターテインメントでもある」「薪剛は、トラウマと闇に囚われ、立っているのがやっとという人物。撮影では彼の暗さを感じながら過ごした」と作品・役を説明した。

 大友監督は原作を映画に置き換えるために、役者が見た世界をそのまま映す【主観カメラ】を採用し、リアリティを追究した。大友監督は「映画のフレームはどうしても限られるが、本来の視野はもっと広い。画角が広く、人間の視野に近い映像をいかに撮るかを考えた。カメラマンが撮ると、どうしてもカメラマンの呼吸になる。それぞれの俳優の呼吸、心臓の鼓動を活かす為に、ヘルメット装着型のこの形を取り入れた」と撮影方法の工夫を明かした。

 クラインクインは2015年4月、アップは同年7月。大友監督は、「『るろうに剣心』より前からあった企画。完成までに丸4年ほどかかったでしょうか」と説明。また、「多少、毛色が異なりますが、深い内容でありながらも、ジェットコースター・ムービーとして仕上げたつもり。しばしば私は、今まで皆さまが観たことのない俳優陣の一面を引き出し、ある意味で彼らの代表作になればいいと考えながら撮影に臨んでいる。そういった意味でも誇りをもって皆さまにお届けできる」と仕上がりに自信をみせた。最後に大友監督は、「人の記憶は美化される。美しいものはより美しく、悲しいものはより悲しくといった具合に脳内で自己演出を施している。『単純に事実だけが映るわけではない』というのが本作の面白さ。それぞれの役が持つ感性が見た映像に影響を及ぼしていくというのが物語の肝」と見どころを語った。

 主題歌はSIA「ALIVE」(ソニー・ミュージックレーベルズ)。制作プロダクションは松竹撮影所。製作幹事は松竹、WOWOW。8月6日より全国公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。