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東和『追憶の森』、Jプレミアに渡辺謙登壇

【FREE】東和『追憶の森』、Jプレミアに渡辺謙登壇

2016年04月28日
『追憶の森』ジャパンプレミアに出席した渡辺謙 『追憶の森』ジャパンプレミアに出席した渡辺謙

 東宝東和配給『追憶の森』(提供:パルコ、ハピネット)のジャパンプレミアが26日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、出演する渡辺謙が登壇した。17日まで行われていたブロードウェイミュージカル「王様と私」の公演終了後、渡辺が公の場に登場するのは今回が初。

 ガス・ヴァン・サント監督がメガホンをとり、マシュー・マコノヒーと渡辺が共演したことで話題の、富士の樹海を舞台にした感動のミステリー。東日本大震災のあとに同作のオファーがあったという渡辺は、「死を前にしてどうやって生きるのか?というシリアスな題材の作品なので、その時は背負い切れるほど心に余裕がなかった」と当初は出演に迷いがあり、保留にしていた経緯を明かした。しかし、2年前にガス・ヴァン・サントが監督することが決まり、「彼なら苦しい題材もメルヘンのようなロマンチックな映画にしてくれるだろう」と直感。マシューが出演することを決めたこともあり、「もろ手を挙げてやりましょうと、トントンと進んでいった」と説明した。

 監督に対し繊細なイメージを持っていたという渡辺だが、「ものすごくザックリした人だった。映画を作る職人さんという感じ」と意外な素顔を明かし、撮影が始まると「手描きのロケーションマップに番号がふってあって、『今日はどこから撮ろうかな~』とサイコロを転がしていた(笑)。半分冗談だったけど、自分でないものに身をゆだねる感覚が、彼の創作の現場にはあるのかも」と名匠のユニークなエピソードを披露した。
 主演のマシューとは初の共演。撮影の大半はアメリカの森林で行われたが、「ナイター(の撮影)が多く、夜中の3~4時に撮影が終わると、懐中電灯を渡されて、ズブ濡れでマシューと2人で2~3km歩いて帰った。立ち止まって『俺たち何やってんだろ?』と笑い合った(笑)」と過酷な撮影時を振り返った。

 マシューはロサンゼルスでの撮影のためこの日の来日は叶わなかったが、ビデオメッセージで渡辺を激励。渡辺に日本で夕食をごちそうになったことや、誕生日のプレゼントをもらった話などを次々と繰り出し、「ケンは歌が上手いんだ。(会場の)みんなのために歌ってあげなよ」と思わぬ無茶ぶりも飛び出すなど、仲の良さが垣間見える一幕もあった。

 最後に、渡辺は同作について「立ち止まって頂きたい映画。色々なことに追い立てられる中で、立ち止まり、自分がいるところを確認して、ゆっくりと歩みを進めていける作品。森の中で一緒にたたずんで頂ける時間を一緒に過ごしてほしい」とアピールした。4月29日公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。