東映+日活配給『日本で一番悪い奴ら』の完成披露試写会が25日夜、丸の内TOEI①で開催され、舞台挨拶に白石和彌監督、キャストの綾野剛、中村獅童、YOUNG DAIS、植野行雄(デニス)、ピエール瀧が登壇した。
悪を絶ち正義を守るために、警察に忠誠を誓い過ぎた刑事の歪んだ正義が暴走する超極悪エンターテインメント。実際に起きた「稲葉事件」をモチーフにして製作。03年4月、北海道警察の警部であった稲葉圭昭が覚せい剤の使用、営利目的所持、銃刀法違反の罪で「懲役9年、罰金160万円」の有罪判決を受けた一連の事件。原作は稲葉圭昭本人が書す「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」(講談社文庫)。この稲葉圭昭を、諸星要一の役名で綾野が担った。さらに、諸星と兄弟分となる暴力団幹部・黒岩役を中村、諸星に献身的に仕えるスパイ・山辺役をYOUNG DAIS、山辺と共にスパイとして働くパキスタン人役を実写映画初出演の植野、諸星が手を汚すキッカケを与える先輩刑事役をピエールが演じている。
舞台挨拶当日は大勢の観客が集まった。ゲスト登壇時には大きな拍手が起こり、盛況の様子であった。出演の理由を聞かれた綾野は、「何と言っても白石監督作品だからです。プロットを読むと、200丁の拳銃、40億円相当の覚せい剤、2トンの大麻と書いてあり、『やるしかないでしょ』と興奮しました。自分としても、諸星という役どころは新しい表現課題だなと受け取り、現場に臨みました」と振り返った。また、作品については、「暴力的な映画だと敷居が高くなってしまっているのではないかと不安もありましたが、今日皆さまが集まってくれたのを見て安心しています。様々な人間、出来事と出会いながら展開していく男の一代記で、人間賛歌を描いたエンターテインメントとして仕上がっています。冒頭からリズミカルな音楽が流れますので、身をまかせて心地よく観て頂けると幸いです」と語った。白石監督が、「僕と綾野君が、車の両輪の様になることで推進していった作品でした。綾野君は映画の99%に出づっぱりです。現場を通して、綾野君はやりきった感がなく底の見えない役者だと知りました。また一緒に仕事したいです」と話すと、綾野は、「来年やりましょう」と即答し、信頼の厚さが窺えた。
主題歌は東京スカパラダイスオーケストラfeat.Ken Yokoyamaの「道なき道、反骨の。」。制作プロダクションはジャンゴフィルム。企画協力はフラミンゴ。製作委員会は日活、東映、木下グループ、カルチュア・エンタテインメント、ぴあ、GYAO、ポニーキャニオンエンタープライズ。6月25日より全国公開。