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松竹『家族は~』完成報告会見に山田監督ら

【FREE】松竹『家族は~』完成報告会見に山田監督ら

2016年01月21日
松竹配給『家族はつらいよ』完成報告会見 松竹配給『家族はつらいよ』完成報告会見

 松竹配給『家族はつらいよ』の完成報告会見が19日、有楽町の朝日スクエアで行われ、監督・脚本を務めた山田洋次とメインキャストの橋爪功、吉行和子、西村雅彦、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が登壇した。

 『男はつらいよ』シリーズ終了から20年経ち、2013年製作『東京家族』で一家を演じたキャスト8人が再結集した喜劇作品。「熟年離婚」をモチーフに、とある家族を描いている。熟年離婚騒動を巻き起こす夫婦役を橋爪×吉行、長男夫婦を西村×夏川結衣、長女夫婦を中嶋×林家、次男カップルを妻夫木×蒼井が演じた(当日、夏川は海外ロケの為に欠席)。

 ストーリー案は『東京家族』撮影中の雑談から生まれたという。蒼井は「『東京家族』の撮影時にチームの皆で『崩壊家族』や『脱線家族』とか、別の名前を付けて『東京家族』とは別の物語を妄想して遊んでいた。皆で笑いながら話していたことが、実際に映画になったことを改めて実感している。同じ監督さんの作品に出演することはあるが、8人のキャスト全員でもう一度家族をやらせて頂くことはなかった。私たち8人の姿を観ることで、観客皆さんがそれぞれの家族を思い出すことでしょう」と話す。

 山田監督は「せっかく、『東京家族』で出来たこのチームを分解させてしまうのは勿体ない。チームワークからなるアンサンブルがあり、それは素晴らしい財産。そこで急いで脚本を考えた」とし、「『東京家族』撮影中に蒼井さんが話した、彼女の友人のエピソードが下敷きになっている。まさに熟年夫婦の話で『誕生日に何がほしいか』と訊ねた夫に対して、妻は『離婚届』と答えたという。その時、私は大笑いしたが『いや待てよ、ここから始まる映画が出来るのでは』と思った。蒼井さんがその話を覚えていて、楽しそうに教えてくれたのだから原案のクレジットを『蒼井優』にすべきかも…」と裏話を披露した。橋爪は「さっき楽屋でこのことを話していたら、蒼井ちゃんが『これから私のこと先生って呼んで』と言った。開いた口が塞がらなかった(笑)」と話すと会場は爆笑の渦に包まれた。

 また山田監督は「喜劇と銘打ってもいいが、1人の人間、1つの家族をどのアングルで切り取るかによって、シリアスなものが途端に滑稽になることがある。特別、『東京家族』のデザインを一転させた訳ではない。タイトル案には笑い話の中で『崩壊家族』『脱線家族』などもあったが、やはり寅さんを思い出した。『男はつらいよ』は寅さんを巡って、悩んだり、喧嘩したり、泣いたり笑ったり。本作はテーマが家族全体となっただけで実は同じことじゃないかと思い『家族はつらいよ』に決まった。まあ、自分の映画の真似をしているのだから、いいじゃないかと思っている(笑)」とコメントした。

 製作委員会は松竹、住友商事、テレビ朝日、木下グループ、博報堂DYメディアパートナーズ、松竹ブロードキャスティング、読売新聞社、博報堂、朝日放送、日販、GYAO、メ~テレ、講談社、九州朝日放送、北海道テレビ。3月12日より全国公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。