「ポーランド映画祭2015」が11月14日に開幕した(会場:角川シネマ新宿)。オープニング作品は、ポーランド映画初のアカデミー賞受賞作品『イーダ』(パヴェウ・パヴリコフスキ監督)。上映後の初日舞台挨拶に映画祭全体の監修を務めたイエジー・スコリモフスキ監督が登場した。スコリモフスキ監督は「毎年11月半ばは日本で過ごすという習慣ができて何年にもなる。今後もポーランド映画祭の為に、日本に来たいと思っている。日本に戻ってくる度に喜びを噛み締めている。ありがとう」と関係者に礼を述べ、「日本には私の愛好会、イエジの会があるとか。今後はイエジの会に続き、他のポーランド人監督の愛好会も誕生するだろう。例えばパヴリコフスキの会など。『イーダ』はポーランド映画で初めてアカデミー賞を受賞した作品だが、けしてこれが最後ではないと信じたい」とコメント。「実は今度のオスカーの候補には、私の最新作『11Minutes(原題)』が選ばれている。来年のポーランド映画祭には、この最新作を引っ提げて戻ってきたい。本年度、ポーランド映画祭が大成功に終わりますように」と開幕宣言した。
さらに最新作について、「『アンナと過ごした4日間』『エッセンシャル・キリング』の2本が近作であるが、始まりがあって終わりがあるという形のストーリーを語るということに飽き飽きしていた。次は実験的な映画を作ろうと思いながら最新作に取り掛かった。ちなみに、尺が11分間と言う意味ではない。舞台は首都ワルシャワ。複数人が11分間に起こす行動の断片を組み合わせて映画にした。ハリウッドから来た映画プロデューサー、ホットドッグ売り、麻薬の運び人など何人もの人たちを描いた。画廊で様々な絵を見るような体験になるだろう。楽しみにしていて下さい」と語った。なお映画祭は20日まで開催される。一般1600円、大学生・高校生1300円、シニア(60歳以上)1100円。