NPO法人映像産業振興機構(VIPO)が企画、運営する文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」の2014年度に選出された監督5人が制作企画「FILM FIVE」を立ち上げた。飯塚俊光(『チキンズダイナマイト』)、加瀬聡(『もちつきラプソディ』)、草苅勲(『本のゆがみ』)、羽生敏博(『good‐bye』)、吉野耕平(『エンドローラーズ』)の各監督は国内・海外で様々な受賞歴を持つ。5つの才能が再結集し新たに長編オムニバス映画を制作する。
役者は各監督によるワークショップオーディションを経て決定する。WSは16年2月に3回に分けて代々木オリンピックセンターで実施される。撮影は4月中旬から後半まで。来秋の劇場公開を目指し、都内を皮切りに全国展開される見通し。
11月1日よりWS参加者を募り始めたが(締切1月11日)、11月9日時点で32人の応募があったと企画発起人の加瀬監督。プロダクションに所属する俳優と未所属俳優の応募者比率は五分五分だという。中には複数回のWSを希望する俳優もいたとか。
加瀬監督は「予算がないにしても5人で何かできないかと考え、WSの形態に行きついた」と言い、「作家と同じように、WSの場を役者も求めていると思う。土俵が近い分だけ、真剣に向き合える」と続けた。さらに「この頃、作家にも自己プロデュース能力が段々と求められる様になってきた。例えば私は10年近く助監督を経験し、そこでWS運営のノウハウも得た。飯塚監督は『独裁者、古賀。』で映画公開の為のノウハウを培った。こういった能力を5人が持っているので今度の企画に活かしたい」と意気込みを語った。
監督同士の話し合いは現在進行中。第1回では「どういうオムニバスにするのか」を議論。別々の5本の連なりで構成させるのではなく、1つの物語として長編映画を制作することが決まった。第2回では物語の中心を据えるべく、5人が企画案を提出し、プレゼンテーションの末、加瀬監督の案が採用された。第3回では各プロット提出とパート決め。11月10日、第4回が東劇ビル2Fにある会議室で行われた。各プロットを基に、「ドラマ性をもっと…」「例えば…」「全体を考えると…」など入念に議論され、5人が1本の映画を目指していく様子が窺えた。なお12月7日14時から(予定)、同ビル2Fホールで、WS参加希望者向けの説明会が行われる。
「ndjc~」は06年からスタート。同年度の作家が集まり、制作企画を立ち上げるといった事は初めてのこと。VIPOは特別協力の立場から彼らをバックアップする。同企画の公式サイトは(http://film5-p.com)。