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『さようなら』深田監督、原作者平田トーク

【FREE】『さようなら』深田監督、原作者平田トーク

2015年10月28日
『さようなら』左から平田、ロング、深田監督 『さようなら』左から平田、ロング、深田監督

 第28回東京国際映画祭(コンペティション部門)での上映に併せて、『さようなら』のトークショーが、27日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、深田晃司監督、出演のブライアリー・ロング、原作者の平田オリザ氏が登壇した。

 劇作家・平田氏原作の「アンドロイド演劇」を深田監督が映画化したもの。放射能に侵された近未来の日本。各国と提携して敷かれた計画的避難体制のもと国民は国外へと次々と避難していく。その光景をよそに、避難優先順位下位の為に取り残されていく外国人の難民ターニャ(ロング)。病弱な彼女を幼い頃からサポートしているアンドロイドのレオナ(ジェミノイドF/アンドロイドアドバイザー:石黒浩氏)。やがてほとんどの人々が消えていく中、遂にターニャはレオナに見守られながら最期の時を迎えることになる。人間とアンドロイドにとっての生と死とを問いかける作品。人間と本物のアンドロイドが共演を果たした芸術と科学のコラボレーション。

 深田監督は「2010年に初めて演劇版を見て、出会うや否や映画化したいと希望した。そこには死んでいる女性、死に向かう女性、死んでいるかどうか分からない女性(アンドロイド)が描かれていて、『死を見つめるという体験』を映画でもやりたいと感じたからだ。原作に出会い、資金集めから始めた。当時から考えると、公開されることを奇跡のように感じている」とコメント。演劇版でも主演を務めるロングは「外国人役として、演劇版にも映画版にも出演させて頂けたことを光栄に思う。映像的な経験として、映画主演を務めるのは初めてのこと。(舞台版ではアンドロイドのトラブルがしばしばあったので)撮影日数が限られている中、上手くいくのかと不安だったが、これといった問題がなく撮影でき、ほっとしたことを覚えている」と語った。

 平田氏は「最初は15分くらいの作品だった。演劇版は10数か国で上演してきたもの。キレイな映画にして下さり、大変感謝している。今年は私の人生で初めてのことだが、原作を手掛けた映画作品が2本も公開された。(片方の『幕が上がる』でもそうだったが)深田監督にはあれこれとあまり口出ししなかった。また今後、映画と演劇をセットで行うといった企画も考えている。是非楽しみにして下さい」と映画化されたことに対する想いを話した。

 第6回沖縄国際映画祭クリエイターズ・ファクトリー支援作品。配給はファントム・フィルム。製作委員会はファントム・フィルム、ケイアンドエイジー、トーキョーガレージ、アトムエックス、アディックス、レトル、KATSU‐do。11月21日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。