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松竹+AA『クリーピー』黒沢監督で16年夏

【FREE】松竹+AA『クリーピー』黒沢監督で16年夏

2015年07月31日
 松竹+アスミック・エース配給『クリーピー』は、2016年初夏全国公開が決定した。黒沢清監督のもとに、西島秀俊、竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之という豪華キャスト陣が集結する。

 同作は、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕の小説「クリーピー」(光文社文庫刊)を映画化するサスペンス・スリラー。クリーピーとは「ぞっと身の毛がよだつような」「気味が悪い」を意味する。ある夫婦の日常が、奇妙な隣人への疑惑と不安から深い闇へと引きずり込まれる恐怖を描く。

 原作者の前川裕は法政大学国際文化学部教授で、専門は比較文学と米文学。この原作小説で作家デビューを果たし、その後も執筆活動を続ける。脚本は黒沢監督が、教え子であり映画監督の池田千尋と共同で手掛け、映画オリジナルの展開を繰り広げる。

 物語の主人公は、元刑事で今は犯罪心理学者の高倉(西島)。かつて同僚だった刑事(東出)から、6年前の一家失踪事件の分析を依頼される。だが、事件で唯一生き残った長女(川口)の記憶をたどるも核心には至らず。一方、高倉が妻(竹内)と引っ越した先の隣人家族は、どこか掴みどころがない。その隣家の主人・西野(香川)の娘がある日、高倉に「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」と告げる。未解決の一家失踪事件と、隣人家族の不可解な関係、この二つの繋がりから本当の恐怖が始まる。

 撮影は8月頭から9月頭にかけて、都内および関東近郊で、全編ロケを行う。

原作者・前川裕 私が最初に見た黒沢清監督の映画は『地獄の警備員』。その戦慄の恐怖に強く惹かれ、その後『CURE』『叫』などで同じような衝撃を受け、密かな共感を抱き続けている。国際的にも著名な黒沢監督に、私の作品の映画化の監督をしていただけるのは、望外の喜び。

黒沢清監督 はっと気づいたら時すでに遅し。すぐお隣で地獄の門が開き、日常がガラガラと音をたてて崩れていく。そんな世にも恐ろしく、かつ胸のすく映画を私は一度撮ってみたかった。

西島秀俊 黒沢監督とご一緒するのは、(『LOFT ロフト』以来)約10年ぶり。緊張するが、撮影現場がとても楽しみ。身近で起きていてもおかしくない、そんな恐怖を描いたリアルで重厚な素晴らしい脚本だ。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。