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松竹『殿、利息~』中村監督で16年初夏公開

【FREE】松竹『殿、利息~』中村監督で16年初夏公開

2015年07月07日
 『武士の家計簿』などの著作で知られる磯田道史氏の近著「無私の日本人」(文春文庫刊)の一編「穀田屋十三郎」が映画化される。タイトルは『殿、利息でござる!』に決定。松竹の配給で2016年初夏公開。

 監督は『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』等の中村義洋。初めて本格的時代劇に挑む。6日クランクインし、山形、宮城等でロケを行ったのち、8月末にアップ予定。作品の舞台は、今から240年ほど前の江戸中期、仙台藩吉岡宿。年貢の取り立てや労役で困窮する宿場町を守るため、知恵と工夫と決死の覚悟で立ち上がり、ついに地域を立て直した住人たちがいた―。実在した穀田屋十三郎ら9人が、藩にまとまった金を貸し、毎年の利子を全住民に配る「宿場救済計画」を立て、奔走する姿が描かれる。

 造り酒屋を営むかたわら、宿場町の行く末を心から憂える主人公・穀田屋十三郎を演じるのは阿部サダヲ。町一番の知恵者である茶師・菅原屋篤平治に瑛太。そして十三郎の弟で、吉岡宿一の大店・造り酒屋の浅野屋の主・浅野屋甚内には妻夫木聡。製作幹事は松竹、東日本放送。制作プロダクションはザフール。キャスト・スタッフのコメントは次の通り。

中村義洋(監督) 実話です。原作者の磯田さんは記録となった古文書を読んで泣いたという。僕も泣いた。町を救うために破産するほど私財を投げ打ち、遺言は「人に話すな」。こんな人がいた、ということを伝えねばならない、今の日本を辛うじて救っているのは、こうした精神なのではないか……自分でも恥ずかしいほど一途な思いで脚本を書き、その思いに応えるように、ここぞという時には必ず呼ぼうと決めていたサダヲさん、瑛太くん、妻夫木くんら、頼もしいキャストの方々が集まってくれた。とはいえ、そこはエンターテインメント。武士より武士らしかった百姓たちと、私欲や保身しか頭にない武士の対決。なんだ、今の日本と(うちの職場と)ちっとも変わらないじゃないか、なんて思いながら観ていただけたら嬉しい。

阿部サダヲ(穀田屋十三郎 役) 時代劇だと聞いて、馬に乗ったり派手な立ち回りがあるのかと勝手に思っていたが。そういうのが全く無いのに、スゴくかっこいい男達の話で、とても新鮮だった。自分も時代劇の主演は初めてだし、中村監督も時代劇初めてお撮りになるということで、新鮮な時代劇が産まれるといいなと思う。

瑛太(菅原屋篤平治 役) 中村監督に9年ぶりに呼んで頂けて、しかも阿部サダヲさんをはじめ素晴らしい方々と映画作りを出来る事はとても幸せ。清々しい気持ちで役を演じ、良い作品になるよう日々精進する。

妻夫木聡(浅野屋甚内 役) ずっと、ご一緒したいと願っていた中村監督にお声をかけて頂けて幸せ。今はただただ撮影が楽しみでしょうがない。一日一日を楽しみたいと思う。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。