「焼身抗議」に代表されるチベット問題を扱ったドキュメンタリー映画『ルンタ』の先行上映会付シンポジウムが、1日に豊島区・立教大学池袋キャンパスで実施された。
イベントは、「平和を願う非暴力‐慈愛の精神の先にある、チベット遊牧民の願いとは‐」と銘打たれたものであり、『ルンタ』に衝撃を受けた学生が集い、より多くの学生に観て欲しいという思いから開催された。当日は、およそ100人が来場する盛況なイベントとなった。上映後、監督の池谷薫、在日チベット人男性のチュイ・デンブン氏が登壇し、映画に対する想いについてそれぞれ話した。
池谷監督は、「例えば、お寺でお参りをする時。日本人は、自分の為に祈ることが多い。だが、チベット人は必ず他者の為に祈る。そういった利他の心を持っている人々。僕は、彼らを撮っていくうちに心底惚れ込んでいった。このような彼らの不屈の精神をより多くの人に知ってもらいたい」と語った。デンブン氏は、「チベットから『焼身抗議』という悲しい現実がなくなる日を祈っているし、その未来が来ることを信じている。何よりも、学生たちが、本イベントを開催してくれたことに感謝したい」とコメントした。トーク後には、両者と来場者のQ&Aタイムが設けられた。質問が終始途切れなかったことからは、『ルンタ』がチベット問題への関心を高めた様子がうかがえた。イベントの主催は、学生ルンタ広報会、砂川ゼミ。7月18日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。配給は蓮ユニバース。